【バスケの不文律(アンリトンルール)】~知っておきたいタブーとマナーと常識と~

※2023年6月14日:5ファウル時に相手ベンチへ行く行為は「やってはいけないこと」に訂正。

バスケでは、ルールには書いてないけど、「やってはいけないこと」、あるいは「やったほうがいいこと」がいくつか存在します。

これは、「アンリトンルール」「不文律」「タブー」「暗黙の了解」などとも呼ばれます。あるいは「マナー」「礼儀」「常識」と呼ばれたり、もっと解釈の幅を広げると「場の空気」(「空気読めよ」みたいなやつ)や「スポーツマンシップ」と呼ばれるものもあるでしょう。

バスケに限らずですが、人が集まるところには、必ず「ルール」「アンリトンルール」が存在すると思います。その両方をバランス良く学ぶことは社会性を育むことに繋がると思うので、特にミニバス指導において重要な要件の1つと自分は考えています。

ただ、正直、自分はそういうものが苦手です。

会社に入社したころ、どこにも書かれていない「暗黙のルール」がたくさんあって、それが全く覚えられず、「そんなものただの伝説だろ?」とか言って内心ヒヤヒヤしながらイキっていたことを思い出します。そもそも自分は腑に落ちない(納得できない)と記憶できない体質なので覚えるのに大変苦労しました。

このことはバスケでも同様で、チーム内で仲の良い人やお節介な人からしか入手できないようなローカルな「暗黙のルール」まで含めてしまうと、競技規則やチームの運営規則等には書かれていないけど、「守らなければならないルール」、あるいは「守った方いいルール」、いわゆる「アンリトンルール」はバスケには本当にたくさん存在します。

というわけで本記事では、バスケの競技規則(ルール)には書かれていないけど、「守るべきこと」や、「守った方がよいこと」について、筆者が調べたことや経験したことを列挙します。それと同時に自分と同じように腑に落ちないと記憶できない体質の方に向けて、出来る限りその理由などを掘り下げるよう努めましたので、よければ最後までご覧になってください。

※本記事で紹介する内容は、主にミニバスでのケースを紹介していますが、地域差やチーム差が大きいため、実際の状況と合っていない可能性がありますが、紹介内容の特性上やむを得ず、あらかじめご了承くださいませ。

NBAで有名なアンリトンルール

特に有名なのが、「ガベージタイム」(試合の勝敗が決した状態での残り時間)でのアンリトンルールです。いずれも相手チームへの敬意を示すことが目的です。

  • ガベージタイムでは、派手なプレイ(例えば、ダンクシュートやアリウープなど)は避ける
  • ガベージタイムでは、どちらかのチームがプレイを止めたら相手も止める

選手に関するアンリトンルール

背番号は4番から(主にアンダーカテゴリーのみ)

一説にはFIBAで3秒ルールのシグナルとの混同を避けるために国際ルールで禁止されていたらしいですが、原文を探しましたが少なくとも現在はそのようなルールは存在しないと思われるため、まさにアンリトンルールです。

4.3.2 Each team member shall wear a shirt numbered on the front and back with plain numbers, of a colour contrasting with the colour of the shirt.
The numbers shall be clearly visible and:

  • Those on the back shall be at least 16 cm high.
  • Those on the front shall be at least 8 cm high.
  • The numbers shall be at least 2 cm wide.
  • Teams may only use numbers 0 and 00 and from 1 to 99.
  • Players on the same team shall not wear the same number.
  • Any advertising or logo shall be at least 4 cm away from the numbers.
FIBA"Official Basketball Rules 2022"より引用

審判にボールを手渡しする

スローインなどで審判にボールを渡すときに必ず手渡しをするチームがあります。

これは審判への敬意を示す意図があるようです。普段から審判との連携が取れているわけではないので遠くからパスするとミスが発生してリスクがあることや、スローインする選手が審判にボールを手渡すケースでは、スローイン位置を審判が選手に示すためにも、なるべく近い距離で渡したほうが良いように感じるので合理性もあるかと思います。

ファウルをしたら手を挙げる

ファウルをしたら積極的に手を挙げて自分のファウルを認める行為です。

これはスポーツマンシップによるものだと思いますが、繰り返し正々堂々とした態度をアピールしていると、本当に自分がファウルしていないときに、逆に手を上げないことが正当性アピールになるとも言えます。これならテクニカルファウルにはならないので実質的効果も多少あるように思います。

声を出し、手を挙げて「マイボール」をアピールする

積極的に手を挙げて「マイボール」をアピールする行為です。

本来の目的は、最後のボールタッチは選手自身が一番わかるので審判のジャッジのサポートが目的だとは思うのですが、実際には単純に「マイボール」を得るためのアピール合戦です。

ミニバスの場合、健気さと可愛いさであまり問題にはなりませんが、当然ですが虚偽のアピールはダメです。

低学年の選手にはディナイをしない、積極的にボールを奪いに行かない

ミニバスでは、例えば小学1年生と小学6年生では体格が全然違うので、たとえ相手チームの選手でも低学年の選手が出場しているときは、上級生は手加減しなければなりません。

そうすることで、低学年の選手はバスケの試合が楽しくなり、上級生にとっては思いやりの心を身に付ける絶好の機会になります。

低学年の選手が上級生の試合に出るときは「ルンバの動き」

ルンバの動きとはコートの端(コーナー)と端(コーナー)を行ったり来たりする動きです。

※これはミニバス独特のポジショニングです。

そこからポジションを変える動きや、パスをさばく動き、リバウンドを取りに行く動きを少しずつ覚えていきます。

低学年の選手が上級生と一緒の試合に出場するとき、ゴール下付近は接触が多く危ないので自然とこういう動きになります。

場合によってはディフェンスに戻らない場合もありますが、この動きもディフェンスが1人欠けることで自チームに不利になりますが、相手の選手は常に速攻を警戒しなければならないのでちょっと嫌です。また、オフェンスのときはマイマンがコーナーにずっといると視野が制限されるので、そういう意味でも相手にとっては嫌なポジショニングと言えます。

5ファウルで退場したときは、相手チームベンチへ

5ファウルで退場したときは、相手チームのベンチのところへ行き頭を下げます。

訂正

ご指摘をいただきました。この内容はソーシャルディスタンス的にも現在では「やってはいけないこと」にカテゴライズされそうです。まだまだ情報を調べ尽くせていませんが、ローカルな内容ではないので安全方向に訂正させていただきます。勉強不足につき大変失礼しました。

これは何を言っているのかと子供に聞いてみましたが、特になにも言わないか、「ありがとうございました。」と言っているようです。

正直、一番辛いのは退場する選手本人であることが多いので、毎回複雑な気持ちになりますが、目的は調べてもはっきりわかりませんでした。

交代するときはマイマンを交代選手に伝達する

交代するときに自分のマークマンを新しくコートに入る選手に伝えます。

ルールというよりもそうしなければ、マークマンがわからず交代選手が困ってしまうためです。

SNSの利用禁止

個人情報はもちろんですが、試合結果やチーム情報のSNS投稿を禁止しているチームは多いようです。

チームの内部事情の流出など情報流出を防ぐ目的ですが、特に未成年の個人情報流出は安全に関わる問題なので、運営側としては最も気を使わければならない部分です。

ただ、どの業界も同じですが、情報セキュリティーのリスクと情報収集やプロモーション能力はトレードオフなのでバランスが大切かと思います。

コーチ(チーム)のアンリトンルール

試合終盤に大量リードしているときはベストメンバーとベンチメンバーを交代する

相手チームへの敬意と、ベンチメンバーの試合経験の確保が目的です。

これは大抵どのチームもやっていることだと思います。

試合後に相手チームの選手に囲まれる

試合後に相手チームの選手があいさつに来ます。

これは選手が相手チームのコーチに対して試合後のお礼をする場面ですが、コーチにとっては敵味方関わらず選手たちに労いを示す大切な場面です。

保護者のアンリトンルール

応援席からの子供への指示は禁止

これはほとんどのチームが暗黙ルールで禁止にしているのではないでしょうか。

どこまでが応援でどこまでが指示という部分が明文化しにくいのでルール化されていないだけで、試合中、皆が我が子に対して指示を出してしまうとチームが成り立たなくなってしまうためです。

まだ判断力や理解力に乏しい年代なので、我が子かわいさから口出ししたくなる気持ちはよくわかりますが、ぐっと堪えてください。試合中、我が子に対して許される声掛けは純粋な応援だけと考えておきましょう。

応援は自チームのベンチサイドで

会場の都合でいろいろ変わりますが、応援席は自チームのベンチがあるサイドで応援するのが基本です。

カップ戦や練習試合、交流戦など招待された試合では、トイレットペーパーを持参する

大量に消費されるので、相手チームの小学校への気づかいのために行っているようです。

たぶん男子チームではあまり無くて、ミニバス女子チームで行っているチームが多い気がします。

フリースローのときの声援

たとえ応援だったとしても、自チーム、相手チームどちらのフリースローでも、声を出さないようにします。

理由はもちろんシュートの精度に影響するからです。

試合がはじまるときと終わるときは起立

試合の始まりと終わりに保護者も起立するチームがあります。

これは地域差やチーム差があるようですが、普段はそのようなことをしないチームでも、相手チームに合わせるのがマナーでしょう。

試合中の審判への文句、相手チームへの文句禁止

これらは我が子ためであっても、最もやってはいけないことです。

説明は不要かと思います。

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