※2022年4月10日:2022年4月施行の新ルールに対応。
※2022年2月25日「ルールの豆知識」を追加。
※2022年1月3日「ポゼッションアロー切り替えのコミュニケーション」を追加。
オルタネイティングポゼッションルール(Alternating possession rule)とは
次にどちらのチームのポゼッションなるのかを示すために「テーブルオフィシャルズ(T.O)」が「オルタネイティングポゼッションアロー」(または「ポゼッションアロー」と言う、以降「アロー」と表す)を使ってポゼッションを矢印で表示します。
ヘルドボールの際は元々「ジャンプボール」を行っていました。
しかし、2004年に国際ルールが変更されて以降、「オルタネイティングポゼッションルール」となりました。
ただし、NBAでは現在でも、ヘルドボールの際は「ジャンプボール」は行われています。
オルタネイティングポゼッションアロー(アロー)の向きを切り替える場面
1.試合最初のジャンプボールの後
最初のポゼッションを得たチーム側のバスケットにアローを向ける。(最初のポゼッションを得られなかったチーム側がオルタネイティングポゼッションの権利を得る)
2.各クォーターの最初のスローインのあと
スローインを終え、ボールがコート上の選手に触れたときアローの向きを変える。
3.「ジャンプボールシチュエーション」コール後のスローインのあと
「ヘルドボール」になったときや、ボールがリングとバックボードの間に挟まった時など「ジャンプボールシュチエーション」という。
ポゼッションアロー切り替えのコミュニケーション
ゲーム開始時
スタート。白コントロールしまし
た。
白コントロール OK。アローを赤
に向けます。
アロー赤、OK です。
ジャンプボールシチュエーション
(スローインが終わったら)
アロー、白に変えました。
アロー、白、OK です。
ハーフタイム
アロー変えます。後半は白のス
ローインからです。
オルタネイティングポゼッションに関する公式ルール
“2022 バスケットボール競技規則 (公益)日本バスケットボール協会 2022 年4 月1 日施行” より引用
第12 条 ジャンプボール、オルタネイティングポゼッション(Jump ball and alternating possession)
12-1 ジャンプボールの定義
12-1-1 ジャンプボールは、第1クォーターの開始時に、センターサークルで各チーム1人ずつのいずれかのプレーヤーの間に審判がボールをトスすることで行われる。
12-1-2 ヘルドボールは、両チームの1人あるいはそれ以上のプレーヤーがボールに片手または両手をしっかりとかけて、どちらのプレーヤーも乱暴にしなければそのボールのコントロールを得られないときに宣せられる。
12-2 ジャンプボールの手順
12-2-1 両ジャンパーは、センターサークルの自チームのバスケットに近い方の半円の中に両足が入るように立ち、片足はセンターラインの近くに置く。
12-2-2 同じチームの2人のプレーヤーがサークルのまわりに隣り合わせて位置したときは、相手チームから要望があれば、一方の位置は譲らなければならない。
12-2-3 審判は、両プレーヤーの間で、両者がジャンプをしても届かない高さまでまっすぐ上にボールをトスする。
12-2-4 ボールが最高点に達した後で、少なくともどちらかのジャンパーによって片手または両手でタップされなければならない。
12-2-5 どちらのジャンパーも、ボールが正当にタップされる前にそのポジション(位置)を離れてはならない。
12-2-6 どちらのジャンパーも、ジャンパー以外のプレーヤーかフロアにボールが触れるまで、ボールをキャッチしてはならないし、2回までしかタップすることはできない。
12-2-7 ボールがどちらのジャンパーにもタップされなかった場合は、ジャンプボールはやり直しになる。
12-2-8 ボールがタップされるまで、ジャンパー以外のプレーヤーは体のどの部分もサークルのラインに触れたり、越えたりしてはならない(ライン上のシリンダーを含む)。
12-2-1、12-2-4、12-2-5、12-2-6、12-2-8に違反することはバイオレーションである。
12-3 ジャンプボールシチュエーション
次のとき、ジャンプボールシチュエーションになる:
- ヘルドボールが宣せられたとき
- 誰が最後に触れてボールがアウトオブバウンズになったか審判に確証がなかったとき、あるいは審判の意見が一致しなかったとき
- 最後のフリースローが成功しなかったときに、両チームのプレーヤーがフリースローのバイオレーションをしたとき(ダブルフリースローバイオレーション)
- ライブのボールがリングとバックボードの間に挟まったり載ったままになったとき(ただし、以下の場合を除く)
−次にフリースローが続く場合
−最後のフリースローの後、そのチームのフロントコートのスローインラインからスローインが続く場合
- どちらのチームもボールをコントロールしていないかボールを与えられる権利がない状態でボールがデッドになったとき
- 両チームに対する等しい罰則を相殺したあとで、ファウルによる罰則が残らず、最初のファウルもしくはバイオレーションが発生する前にどちらのチームもボールをコントロールしていなかったかボールを与えられる権利がないとき
- 第1クォーター以外の全てのクォーターやオーバータイムが始まるとき
12-4 オルタネイティングポゼッションの定義
12-4-1 オルタネイティングポゼッションとは、ゲーム中、ジャンプボールシチュエーションになったとき、両チームが交互にスローインをしてボールをライブにするゲーム再開の方法である。
12-4-2 オルタネイティングポゼッションのスローインは:
- スローインをするプレーヤーにボールが与えられたときに始まる
- 次のときに終わる:
−ボールがコート上のプレーヤーに正当に触れたとき
−スローインをするチームにバイオレーションが宣せられたとき
−スローインされたライブのボールが、リングとバックボードの間に挟まったり載ったままになったとき
12-5 オルタネイティングポゼッションの手順
12-5-1 オルタネイティングポゼッションのスローインは、ジャンプボールシチュエーションになったところに最も近いアウトオブバウンズから行う。ただし、バックボードの裏側からはスローインをしない。
12-5-2 ジャンプボールのあと、コート上でライブのボールのコントロールを得られなかったチームが、最初のオルタネイティングポゼッションの権利を得る。
12-5-3 それぞれのクォーターやオーバータイムの終了時点で、次のオルタネイティングポゼッションの権利を与えられるチームが、スコアラーズテーブルの反対側のセンターラインの延長線上からのスローインを行うことでその次のクォーターやオーバータイムを始める。ただし、フリースローやスローインの罰則が与えられる場合を除く。
12-5-4 オルタネイティングポゼッションによって次にスローインの権利を与えられるチームは、オルタネイティングポゼッションアローが相手チームのバスケットを向いていることで示される。オルタネイティングポゼッションアローの向きはオルタネイティングポゼッションのスローインが終わり次第、速やかに変えられる。
12-5-5 オルタネイティングポゼッションのスローインの間にそのチームがバイオレーションを宣せられたとき、そのチームはオルタネイティングポゼッションのスローインの権利を失う。オルタネイティングポゼッションアローの向きは速やかに変えられ、次のジャンプボールシチュエーションのときは、バイオレーションを宣せられたチームの相手チームがオルタネイティングポゼッションのスローインの権利を得ることが示される。
その後ゲームはバイオレーションを宣せられたチームの相手チームによるスローインを元々のスロー
インの場所から行うことで再開される。
12-5-6 どちらかのチームによるファウルが以下の状況で起きたとき:
- 第1クォーター以外のクォーターやオーバータイムの開始前、あるいは、
- オルタネイティングポゼッションのスローインの間
上記の状況では、与えられていたオルタネイティングポゼッションルールによるスローインの権利は
取り消されない。