※2022年10月16日:スローイン時のディフェンス選手ラインオーバー時の罰則を訂正
スローインはパスをすると誰もがわかっている状況の中でパスをしなければならないので、ある意味では非常に難しいパスのプレーです。
一般の試合では、試合終盤など限られた場面でしか見られませんが、ミニバスでは最初から最後までシュート後のスローインを狙って奪いにいくチームがよくあります。それに対応できないチームは5秒バイオレーションになってしまったり、バイオレーションにならなくてもエンドラインからのスローインをすぐカットされて得点されてしまい試合にならないようなケースをたまに見かけます。
そうならないために、本記事ではスローインのルール説明とともに、スローインの基本的なやり方をシンプルに整理しました。
スローインの出し方
ラインから一歩後ろに下がって、レシーバー(パスを貰う人)のターゲットハンドのちょっと先にパスを出します。
- 目の前の相手選手が近くでブロックしようとしているとき、レシーバーに背を向けているディフェンスの選手は、スローインする選手の目線や体や顔の向きなどで判断してブロックしようとするので、なるべくレシーバーを見ないようにしたり、フェイクで騙しながらパスをします。
- パスを出した後は、相手選手の動きを見て、できるだけ早くリターンパスを貰いやすい場所に動きます。
スローインの貰い方
パスを出してほしい瞬間だけターゲットハンドを出して動きながらパスを貰います。
- 一度逆方向に動いてから、貰いたい方に戻ってターゲットハンドを出すと貰いやすいです。
- 毎回同じだと相手に先読みされてしまうので、裏を狙ったり(相手ゴール側で貰う)、手前に戻ったり、横方向に動いたりとパターンを変えると先読みされにくくなります。
- どうしても自分がボールを貰いたい場合は「押し込む」という方法を使います。「シールする」とか「面を取る」とも言いますが、背中側に相手選手を封じ込めて自分の身体の正面のスペースを無理やり開ける方法です。シールしてハンドオフパス(手渡しでのパス)ができるぐらいスローインする人に近づけば大体ボールを貰うことができると思いますが、それでも無理やり相手選手が前に入ろうとする場合はクルッとターンして裏を狙いましょう。
- ダブルチームや激しいプレッシャーを受けても対応しやすいように、ボールを貰う前に必ず自分のマークマンとスローインする選手のマークマンの位置を確認しておきます。
注意すべきスローインのルール
- ディフェンス選手の体の一部がラインを越えたらバイオレーション(残り2分以下の場合はテクニカルファウル)
- スローインするために十分なスペース(2m)がコート外に無い場合は、スローインする選手の1m以内に近づいたらバイオレーション(残り2分以下の場合はテクニカルファウル)
- 1m以上動いてからスローインしたらバイオレーション(ただし、シュートを決められた後のエンドラインからのスローインは除く)
- ボードの裏にボールが当たってしまったらバイオレーション
- スローインが直接ゴールに入ってしまったらバイオレーション
- 5秒ルールによるバイオレーション
- 試合終了まで残り2分以下の時間帯のスローインのとき、コート内にボールが入っていない状況でディフェンス側の選手がファウルをすると、通常のパーソナルファウル相当のファウルでもアンスポーツマンライクファウルとなる。
Youtuberコーチの方たちの参考になる動画
スローインの公式ルール
“2022 バスケットボール競技規則” 「公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)」より抜粋
第17条 スローイン (Throw-in)
17-1 定義
17-1-1 スローインとは、アウトオブバウンズにいるプレーヤーによってボールがコート内にパスされることをいう。
17-2 手順
17-2-1 審判は、スローインをするプレーヤーにボールを手渡すか、スローインをする位置にボールを置かなければならない。審判が、スローインをするプレーヤーにボールをトスあるいはバウンスパスをして与えてもよいのは以下の場合である:
- 審判がスローインをするプレーヤーから、4m以内のところにいる。
- スローインをするプレーヤーが、審判に指示されたスローインを行うアウトオブバウンズの位置にいる。
17-2-2 プレーヤーは、バイオレーションかファウルが起こったところや、ゲームが中断されたところに最も近いアウトオブバウンズから、ボールをスローインしなければならない。ただし、バックボードの裏側からはスローインをしない。
17-2-3 第1クォーター以外の全てのクォーターや全てのオーバータイムを始めるスローインを行う場合は、スコアラーズテーブルの反対側のセンターラインの延長線上から行う。
このとき、スローインをするプレーヤーはセンターラインの延長線上をまたいで立ち、コート上のどこにいるプレーヤーにパスをしてもよい。
17-2-4 第4クォーター、各オーバータイムでゲームクロックが2:00 あるいはそれ以下を表示しているとき、バックコートからスローインを与えられることになっているチームに認められたタイムアウトの後で、そのチームのヘッドコーチは、フロントコートのスローインラインからのスローインでゲームを再開するか、バックコートのゲームが止められた場所に最も近いアウトオブバウンズからのスローインでゲームを再開するかを選択することができる。
17-2-5 ライブのボールをコントロールしているチームのプレーヤーあるいはボールが与えられることになっていたチームのプレーヤーがパーソナルファウルを宣せられた場合、ファウルが起こったところに最も近いアウトオブバウンズからのスローインで再開される。
17-2-6 テクニカルファウルのあとはルールの中で別途規定がある場合を除き、ゲームはテクニカルファウルが宣せられたときにボールがあった場所に最も近いアウトオブバウンズからスローインで再開される。
17-2-7 アンスポーツマンライクファウルまたはディスクォリファイングファウルのあとはルールの中で別途規定がある場合を除き、ゲームはフロントコートのスローインラインからスローインで再開される。
17-2-8 ファイティングの場合は、ゲームは第39条に定められているとおりに再開される。
17-2-9 ボールがバスケットに入っても得点が認められない場合、ゲームはフリースローラインの延長線上のアウトオブバウンズからスローインで再開される。
17-2-10 フィールドゴールあるいは最後のフリースローが成功した後のスローインは:
- 得点されたチームのプレーヤーが、そのバスケットの後ろのエンドラインの任意の位置のアウトオブバウンズからスローインをする。フィールドゴールあるいは最後のフリースローが成功した後であれば、タイムアウトやその他のプレーの中断の後に審判がスローインをするプレーヤーにボールを与えた場合でもこの規定が適用され、エンドラインの任意の位置のアウトオブバウンズからスローインをしてよい。
- スローインをするプレーヤーは、動いて位置を変えてもよいし、エンドライン側のアウトオブバウンズにいる味方のプレーヤーにボールをパスしてもよいが、スローインのボールがコート内に向けて投げられるまでに5秒を超えてはならない。このときの5秒は、そのチームのプレーヤーが最初にエンドラインのアウトオブバウンズでボールを持つかボールを与えられたときから数える。
17-3 ルール
17-3-1 スローインをするプレーヤーは、次のことをしてはならない:
- スローインのボールを手離すのに5秒を超えること。
- スローインのボールを手に持ったままコートに足を踏み入れること。
スローインをしようとしたときにコートに足を踏み入れてしまった場合にもこのルールが適用
される。
- スローインをしたボールがコート内のプレーヤーに触れる前にアウトオブバウンズになること。
- スローインをしたボールに他のプレーヤーが触れる前にコート内で触れること。
- スローインをしたボールが(コート内のプレーヤーに触れないで)直接バスケットに入ること。
- スローインのボールを手離す前に、審判に指示された場所からライン沿いに1mを超えて移動すること。一度移動してから逆の方向に移動し直しても構わない。また、コートのまわりにゆとりがあれば、ラインから直角に1mの距離を超えて繰り返し遠ざかったり近づいたりしてスローインをしてもよい。
17-3-2 コート内のプレーヤーは、次のことをしてはならない:
- スローインされたボールがラインを超えるまで、体の一部を少しでも境界線を超えてコートの外に出すこと。
- コートのまわりにゆとりがなくて障害物からラインまでの距離が2m未満のとき、スローインをするプレーヤーから1m以内に近づくこと。
17-3-3 第4クォーター、各オーバータイムでゲームクロックが2:00 あるいはそれ以下を表示しているときに、スローインが行われる場合、審判はスローインのボールを与えるときにイリーガルバウンダリラインクロッシングシグナル(プリベンティブシグナル)を使用して警告を与える。
ディフェンスのプレーヤーが:
- スローインを妨げるために境界線を越えて体の一部を出した場合。
- 障害物からラインまでの距離が2m未満のとき、スローインをするプレーヤーから1m以内に近づいた場合。
これらはバイオレーションであり、テクニカルファウルとする。
17-3に違反することはバイオレーションである。
17-4 罰則
元のスローインを行う位置のアウトオブバウンズで相手チームにボールが与えられ、スローインでゲームを再開する。