※2024年7月21日:「2024 バスケットボール競技規則」に対応
スローインはパスをすると誰もがわかっている状況の中でパスをしなければならないので、ある意味では非常に難しいパスのプレーです。
一般の試合では、試合終盤など限られた場面でしか見られませんが、ミニバスでは最初から最後までシュート後のスローインを狙って奪いにいくチームがよくあります。それに対応できないチームは5秒バイオレーションになってしまったり、バイオレーションにならなくてもエンドラインからのスローインをすぐカットされて得点されてしまい試合にならないようなケースをたまに見かけます。
そうならないために、本記事ではスローインのルール説明とともに、スローインの基本的なやり方をシンプルに整理しました。
スローインの出し方
ラインから一歩後ろに下がって、レシーバー(パスを貰う人)のターゲットハンドのちょっと先にパスを出します。
- 目の前の相手選手が近くでブロックしようとしているとき、レシーバーに背を向けているディフェンスの選手は、スローインする選手の目線や体や顔の向きなどで判断してブロックしようとするので、なるべくレシーバーを見ないようにしたり、フェイクで騙しながらパスをします。
- パスを出した後は、相手選手の動きを見て、できるだけ早くリターンパスを貰いやすい場所に動きます。
スローインの貰い方
パスを出してほしい瞬間だけターゲットハンドを出して動きながらパスを貰います。
- 一度逆方向に動いてから、貰いたい方に戻ってターゲットハンドを出すと貰いやすいです。
- 毎回同じだと相手に先読みされてしまうので、裏を狙ったり(相手ゴール側で貰う)、手前に戻ったり、横方向に動いたりとパターンを変えると先読みされにくくなります。
- どうしても自分がボールを貰いたい場合は「押し込む」という方法を使います。「シールする」とか「面を取る」とも言いますが、背中側に相手選手を封じ込めて自分の身体の正面のスペースを無理やり開ける方法です。シールしてハンドオフパス(手渡しでのパス)ができるぐらいスローインする人に近づけば大体ボールを貰うことができると思いますが、それでも無理やり相手選手が前に入ろうとする場合はクルッとターンして裏を狙いましょう。
- ダブルチームや激しいプレッシャーを受けても対応しやすいように、ボールを貰う前に必ず自分のマークマンとスローインする選手のマークマンの位置を確認しておきます。
注意すべきスローインのルール
- ディフェンス選手の体の一部がラインを越えたらバイオレーション(残り2分以下の場合はテクニカルファウル)
- スローインするために十分なスペース(2m)がコート外に無い場合は、スローインする選手の1m以内に近づいたらバイオレーション(残り2分以下の場合はテクニカルファウル)
- 1m以上動いてからスローインしたらバイオレーション(ただし、シュートを決められた後のエンドラインからのスローインは除く)
- ボードの裏にボールが当たってしまったらバイオレーション
- スローインが直接ゴールに入ってしまったらバイオレーション
- 5秒ルールによるバイオレーション
試合終了まで残り2分以下の時間帯のスローインのとき、コート内にボールが入っていない状況でディフェンス側の選手がファウルをすると、通常のパーソナルファウル相当のファウルでもアンスポーツマンライクファウルとなる。(2023年から下記ルールに変更)- 試合終了まで残り2分以下の時間帯のスローインのとき、コート内にボールが入っていない状況でディフェンス側の選手がファウルをすると、スローインファウルとなる。
34-1-2 スローインファウルとは、第4クォーターや各オーバータイムで、ゲームクロックが 2:00あるいはそれ以下を表示していて、アウトオブバウンズからのスローインを行うときに、まだボールが審判あるいはスローインを行うプレーヤーの手にある間に、コート上のディフェンスのプレーヤーが相手プレーヤーに起こすパーソナルファウルである。
34-2-3 スローインファウルが宣せられた場合:
引用元「2023 バスケットボール競技規則」より
・ファウルをしたチームがすでにチームファウルのペナルティシチュエーションかどうかにかかわらず、ファウルをされたプレーヤーはフリースローを1本のみ与えられる。ゲームはファウルが起きた場所に最も近いアウトオブバウンズからファウルをされたチームのスローインで再開される。
Youtuberコーチの方たちの参考になる動画
スローインの「2023 バスケットボール競技規則」の抜粋と要約
「第17条 スローイン」の要約
スローインの定義
「スローイン」とは、コート外にいるプレーヤーがボールをコート内にパスすること
スローインの始まりと終わりの定義
スローインの始まり:
- ボールがスローインを行うプレーヤーに渡されたとき
スローインの終わり:
- スローインを行うチームがバイオレーションをコールされたとき
- スローイン中にボールがリングとバックボードの間に挟まったとき
- ボールがコート上のプレーヤーに触れたとき
審判のスローイン手順
- スローインをするプレーヤーにボールを手渡しするか、スローイン位置に置く
- L2M時のスローインでは、スローインのボールを渡すときに、イリーガルバウンダリラインクロッシングシグナル(プリベンティブシグナル)を使用して警告を与える。
以下の場合は、トスまたはバウンスパスでプレーヤーにボールを渡すことができる。
- 審判がスローインをするプレーヤーの近く(4m以内)にいる場合
- スローインをするプレーヤーが、審判から指示されたアウトオブバウンズの位置にいる場合
プレーヤーのスローイン手順
パーソナルファウルやバイオレーションのとき:
- 発生した場所やゲームが停止された場所から最も近いアウトオブバウンズからスローインを行う
- バックボードの真後ろからスローインはしない。
テクニカルファウルのとき:
- ボールがあった場所に最も近いアウトオブバウンズからスローインを行う
- バックボードの真後ろからスローインはしない。
- 別途規定があればそちらを優先する。
アンスポーツマンライクファウルまたはディスクォリファイングファウルのとき:
- フロントコートのスローインラインからスローインを行う
- 別途規定があればそちらを優先する。
- ファイティングの場合は、以下のとおりに再開される。
一方のチームがボールをコントロールしていた、もしくはボールを与えられることになっていた場合は、抗争が始まったときにボールがあった場所に最も近いアウトオブバウンズからそのチームのスローインでゲームを再開する。
引用元「2024バスケットボール競技規則 第39条」
クォーターの最初のスローイン:
- 第1クォーター以外のクォーターやオーバータイムの開始時には、スコアラーズテーブルの反対側のセンターラインの延長線上からスローインを行う
スローインをするプレーヤーは、センターラインの延長線上をまたぎ、どこにいるチームメイトにでもパスをすることができる。
L2M(ラストツーミニッツ)のスローイン(ミニバスは対象外):
- 第4クォーター、各オーバータイムでゲームクロックが2:00以下(L2M)でのタイムアウトのとき、バックコートからのスローインを得たチームのヘッドコーチは、以下のどちらかからスローイン位置を選択できる
- フロントコートのスローインライン
- バックコートのゲームが止まった場所に最も近いアウトオブバウンズ
ゴールの後や最後のフリースローの後のスローイン:
- 得点されたチームのプレーヤーが、そのバスケットの後ろのエンドラインの任意の位置のアウトオブバウンズからスローインを行う
- エンドラインに沿って動いて位置を変えても良い
- アウトオブバウンズにいるチームメイトにボールを渡しても良い
- エンドラインからのスローインの場合は、5秒バイオレーションのカウントは、プレーヤーが最初にエンドラインのアウトオブバウンズでボールを持ったときから数える
バイオレーションになる行為
スローイン時にバイオレーションがあった場合は、元のスローイン位置から相手チームのスローインでゲームを再開する。
スローインするプレーヤーがバイオレーションになる行為:
スローインのときにコート内にいるプレーヤーがバイオレーションになる行為: