※2023年2月27日:「イリーガルドリブル(ダブルドリブル)にならないためには」を追加
※2023年1月18日:「コールされやすいパーミング(Palming)とは」を追加
※2022年4月10日:「バックボードを使ったプレー」を2022年4月施行のJBA公式ルールに従って解説を修正
※2022年3月17日:「ダブルドリブルをコールされやすいドリブルとは」を追加。レイアウト修正。
※2022年2月24日:バックボードを使ったプレーについて小修正。
イリーガルドリブル(illegal dribble)とは
「ダブルドリブル」という用語は公式ルールに記載されていませんが、「ダブルドリブル」は「イリーガルドリブル」の一種です。
「イリーガルドリブル」を直訳すると、「違法ドリブル」となります。つまりドリブルの定義から外れたドリブルを総称して「イリーガルドリブル」と呼びます。
イリーガルドリブル(ダブルドリブル)にならないためには
イリーガルドリブルを避けるために、重要なことは以下の3点です。
- ドリブルの最中にボールの下半球を支え持たないこと
- ドリブルの最中にボールを両手で持たないこと
- パスしたボールに再び自分で触れないこと
イリーガルドリブルの微妙な判定シーン
両手ドリブル(パワードリブル)
ルール上、両手でボールを触った時点でボールをコントロールしたことになります。つまり、突き始めの最初の1回のみ両手ドリブルが認められます。ドリブルの途中で片手から両手に変えたり、両手ドリブルを2回続けるとイリーガルドリブルとなります。
バックボードを使ったプレー
2019年のルール変更から、「バックボードを狙ってボールを投げ、再びボールをコントロールすること」はドリブルではないと明記されました。
また、2022バスケット競技規則が公開され、バックボードに当てる前にドリブルをしていなければ、バックボードに当てた後、ドリブルをすることができることが明記されました。
24-2
例︓A1 はまだドリブルをしておらず、⽴ち続けながらバックボードをめがけて故意にボールを投げ、他のプレーヤーが触れる前にボールをキャッチした、あるいはボールに触れた。
解説︓A1 の正当なプレーである。ボールをキャッチしたあと、A1 はショットやパス、ドリブルを始めることができる。
24-3
例︓ドリブルを終了したあと、A1 は故意にバックボードをめがけてボールを投げた。その後ボールはコート上に弾み、A1 は再びボールをキャッチし、ドリブルを始めた。
解説︓最初のドリブルを終えたあとで 2 度目のドリブルを⾏うことはできないため、A1 のダブルドリブルのバイオレーションである。
24-4
例︓ひと続きの動作あるいは⽴ち止まってドリブルを終了したあと、A1 が故意にバックボードをめがけてボールを投げ、他のプレーヤーが触れる前にボールをキャッチした、あるいはボールに触れた。
解説︓A1 の正当なプレーである。ボールをキャッチしたあと、A1 はショットやパスをすることができるが、新たなドリブルを始めることはできない。
24-5
例︓A1 のフィールドゴールのショットはリングに触れなかった。A1 はボールをキャッチし、故意にバックボードをめがけて投げた。そのあと他のプレーヤーが触れる前にボールをキャッチした、あるいはボールに触れた。
解説︓A1 の正当なプレーである。ボールをキャッチしたあと、A1 はショットやパス、ドリブルを始めることができる。
「2022バスケットボール競技規則解説(インタープリテーション)本文 未反映分 新旧対照表」より引用
ドリブル途中で高くバウンドしたボールのコントロール
ドリブル途中で高くバウンドしたボールを再びドリブルするのはイリーガルドリブルにはなりません。ただし、ボールの下半球を手で支えた場合は、イリーガルドリブル(キャリングザボール)となります。
コールされやすいパーミング(Palming)とは
パーミングとはドリブル中に片手でボールの下半球を持ってしまいそのままドリブルを続けることです。競技規則では「キャリイングザボール」と表現されています。

特にアンダーカテゴリーの選手は、長く手に吸い付くようなハンドリングの良いドリブルを習得する過程で、ドリブルの最中にボールの下半球を支えてコントロールしてしまいがちです。誰もが通る道ですが、アンダーカテゴリーでは矯正目的もあるため、積極的にバイオレーション(ダブドリ)がコールされる傾向があります。
こねるドリブル
こねるようにドリブルする行為に問題はありませんが、ボールの下半球を支えるようにこねてしまうとコールされます。
ポケットドリブル
ドリブルの最中に腰のあたりで後方に深く引くように下げる動きを言います。
この動きはドリブル中にボールをコントロールする時間を長く保つために非常に重要ですが、バイオレーション(ダブドリ)をコールされやすいです。
ロールターン
ロールターンもボールを長く引きながら保持しなければならないため、ボールの下半球を支えてしまいがちです。
イリーガルドリブルの審判ジェスチャー


公式ルール(「2022バスケットボール競技規則」準拠)
”2022 バスケットボール競技規則 (公益)日本バスケットボール協会 2022 年4 月1 日施行“ より引用
第24 条 ドリブル (Dribbling)
24-1 定義
24-1-1 ドリブルとは、ライブのボールをコントロールしたプレーヤーが、ボールをフロアに投げたり叩いたり転がしたり、弾ませたりする動作である。
24-1-2 ドリブルが始まるのは、コート上でライブのボールをコントロールしたプレーヤーが、ボールをフロアに投げたり叩いたり転がしたり、弾ませたりして、その後、他のプレーヤーが触れないうちに再びそのボールに触れたときである。
ドリブルが終わるのは、ドリブラーの両手が同時にボールに触れるか、片手または両手でボールを支え持ったときである。
ドリブルの間ボールを空中に投げることもできるが、ボールがフロアや他のプレーヤーに触れる前に、ボールを投げたプレーヤーがもう一度自分の手でボールに触れることはできない。ボールが手に触れていない間は、そのプレーヤーの踏むステップの数に制限はない。
24-1-3 コート上でライブのボールをコントロールしているプレーヤーが、誤ってボールのコントロールを失い、再びそのボールをコントロールしたときは、ボールをファンブルしたことになる。
24-1-4 以下の行為はドリブルではない:
- 連続してフィールドゴールを放つこと
- ドリブルを始めるときや終わるときにボールをファンブルすること
- 他のプレーヤーの近くにあるボールをはじき出してコントロールしようとすること
- 他のプレーヤーがコントロールしているボールをはじき出すこと
- パスされたボールをはじき落としてそのボールをコントロールしようとすること
- トラベリングにならない範囲で、フロアにボールがつくことなく、片手もしくは両手にそのボールがとどまらないように、手から手にボールをトスして移すこと
- バックボードを狙ってボールを投げ、再びボールをコントロールすること
24-2 ルール
プレーヤーは、ひと続きのドリブルが終わったあと、新たなドリブルをすることはできない。ただし、以下のことでライブのボールのコントロールをいったん失ったあと、再びボールをコントロールしたときは、新たなドリブルをすることができる:
- フィールドゴールを放つ
- 相手プレーヤーがボールに触れる
- パスまたはファンブルしたボールが、他のプレーヤーに触れる