※2022年2月1日:3&D(スリーアンドディー)を追加
※2021年12月19日:レイアウトを修正
※2021年8月5日:東京オリンピック代表時のポジションを追加
試合に出場して、チームに貢献するためには自分の役割を理解して、その責任を果たすように努めなければなりません。
役割の意識を高めることでチームや選手同士が連動したプレーが可能になり、試合での勝利の可能性も高くなります。
バスケットボールの試合での役割は「点を取ること」や「リバウンドを取ること」など、挙げればきりがないほど多岐に渡り、それらを一般化してわかりやすく表現したものが「ポジション」です。
まず、その役割分担を決める「ポジション」には主に以下のような種類があり、各ポジションはそれぞれ1~5番の番号で呼ばれます。
- 1番ポジション:ポイントガード【PG】
- 2番ポジション:シューティングガード【SG】
- 3番ポジション:スモールフォワード【SF】
- 4番ポジション:パワーフォワード【PF】
- 5番ポジション:センター【C】
各ポジションの役割と求められるスキル
ポイントガード【PG】
ポイントガードとは、ゲームをコントロールするハンドラーでありパサーです。チームの司令塔の役割を担います。
オフェンス面で求められる技術
しっかりとしたハンドリングスキルとパススキルを持ち、ボール運びができて、シュート力も必要です。
- ボールハンドリング
- パス能力
- クイックネス
- コミュニケーション能力
- 落ち着き
- 協調性(自己中心的でない)
ディフェンス面で求められる技術
相手チームで1番のボールハンドラーを守ることが求められ、スチールも積極的に狙っていくことが必要です。
- クイックネス
- コミュニケーション能力
- 落ち着き
- 協調性(自己中心的でない)
ポイントガードに関する動画
シューティングガード【SG】
シューティングガードとは、シューターであり、 スラッシャー です。チームの得点源となります。
オフェンス面で求められる技術
3ポイントシュートだけでなく、ポイントガードに次ぐボールハンドリング能力で、ドリブル突破能力も必要です。また、スクリーンをしたり、オープンスペースを見つけるなどのオフボールの動きも求められます。オフェンスリバウンドも重要。
- シュート力
- ボールハンドリング
- オフボール能力
- リバウンド力
ディフェンス面で求められる技術
オールラウンドなディフェンス力が求められます。スチールを狙ったり、ペリメーター付近でのフットワークが必要ですが、時にはインサイドのディフェンスも求められます。
- ディフェンス力全般
シューティングガードに関する動画
スモールフォワード【SF】
スモールフォワードとは、アウトサイド寄りのオールラウンダー。
オフェンス面で求められる技術
シュート力だけでなく、特にドライブ能力が重要です。また、インサイドでの得点力も求められます。オフェンスリバウンドも重要。
- 得点力(インサイド・アウトサイドの両方)
- ボールハンドリング
- スピード
- リバウンド力
スモールフォワードに関する動画
パワーフォワード【PF】
パワーフォワードとは、インサイド寄りのオールラウンダー。
オフェンス面で求められる技術
特にペイントエリア内での動きと得点力が必要です。また、スクリーナーとしての動きも求められます。最近ではアウトサイドシュートを求められ、得に3ポイントシュート力重要になってきています。
- 身長
- パワー
- ペイントエリアやミドルレンジでの得点力
- リバウンド力
ディフェンス面で求められる技術
ペイントエリアやリム付近での強さが求められ、ボックスアウトやポストディフェンスの技術と力強さが必要です。
- 身長
- パワー
- リバウンド力
- ブロック能力
パワーフォワードに関する動画
センター【C】
センターとは、チームの大黒柱。
オフェンス面で求められる技術
リム付近での得点力とオフェンスリバウンドが求められます。また、ペイント付近での動きやポストプレイによる得点力が必要です。スクリーナーとしての動きも求められます。
- 身長
- パワー
- リバウンド力
- インサイドでの得点力
ディフェンス面で求められる技術
相手のシュートをブロックする能力が必要です。また、センターにとって、リバウンド能力は何よりも重要となります。
- 身長
- パワー
- ブロック能力
- リバウンド力
センターに関する動画
その他のポジションや役割の用語
コンボガード(CG)
ポイントガードまたはシューティングガードのどちらの仕事もこなす選手。ボールハンドリング、パス、シュート力を兼ね備えた選手。NBA選手の中ではジェームス・ハーデンが該当。
ポイントフォワード(PF)
ポイントガードの役割を果たすスモールフォワード。フォワードとして得点力を持ちながら、アシスト能力が高い選手。NBA選手の中ではレブロン・ジェームスが該当。
ガードフォワード(GF)(スウィングマン)
スモールフォワードまたはシューティングガードのどちらの仕事もこなす選手。身長やスピードでミスマッチを生むことができる。NBA選手の中ではポール・ジョージが該当。
センターフォワード(CF)(フォワードセンター)
パワーフォワードとセンターの両方ができる選手。NBA選手の中ではクリスタプス・ポルジンギスが該当。
ストレッチ4
3ポイントシュートが打てるパワーフォワードの選手。NBA選手の中ではケビン・ラブが該当。
3&D(スリーアンドディー)
3ポイントシュートが打てて、ディフェンスが得意な選手。NBA選手の中ではクレイ・トンプソンが該当。
各ポジションの役割のマトリックス表
役割(プレーシーン) | PG | SG | SF | PF | C |
---|---|---|---|---|---|
得点 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
アシスト | ◎ | 〇 | △ | △ | △ |
ボール運び | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ |
オフェンスリバウンド | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ |
ディフェンスリバウンド | △ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
ペリメーターディフェンス | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
リムディフェンス | △ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
セーフティー | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ |
ポストアップ | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
ドライブ/ペネトレイト | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | △ |
アウトサイドシュート | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | △ |
インサイドシュート | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
スクリーン | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ |
各ポジションの有名選手※2021年8月5日更新
ポジション | NBA ※米国で活躍している日本人選手含む | B-LEAGE (★: 東京 オリンピック日本代表選手) | 女子選手 (★:東京オリンピック日本代表選手) | アニメ |
---|---|---|---|---|
PG | ステフィン・カリー カイリー・アービング デイミアン・リラード ラッセル・ウェストブルック ルカ・ドンチッチ ジャ・モラント | 田臥 勇太 富樫 勇樹★ 篠山 竜青 並里 成 安藤 誓哉 河村 勇輝 田中 大貴★ ベンドラメ 礼生★ | 町田 瑠唯★ 宮崎 早織★ 本橋 菜子★ | 宮城リョータ 花園千秋 赤司征十郎 |
SG | ジェームス・ハーデン クレイ・トンプソン ブラッドリー・ビール デビン・ブッカー ドノバン・ミッチェル | 川村 卓也 金丸 晃輔★ 比江島 慎★ 辻 直人 安藤 周人 川嶋 勇人 | 林 咲希★ 東藤 なな子★ 三好 南穂★ 本川 紗奈生 岡本 彩也花 奥山 理々嘉 今野 紀花 渡邉 亜弥 | 三井寿 車谷空 緑間真太郎 |
SF | レブロン・ジェームス カワイ・レナード ケビン・デュラント ジミー・バトラー ポール・ジョージ 渡邊 雄太 馬場 雄大 | アイラ・ブラウン ジョーダン・ハミルトン ドウェイン・エバンス 張本 天傑★ アキ・チェンバース 渡邊 雄太★ 八村 塁★ 馬場 雄大★ | 宮澤 夕貴★ 馬瓜 エブリン★ 赤穂 ひまわり★ 宮下 希保 | 流川楓 夏目健二(トビ) 黄瀬涼太 |
PF | ヤニス・アデトクンポ パスカル・シアカム クリスタプス・ポルジンギス ドレイモンド・グリーン ザイオン・ウィリアムソン 八村 塁 | ダバンテ・ガードナー ジュリアン・マブンガ ライアン・ロシター ギャビン・エドワーズ★ 永吉 佑也 竹内 譲次 竹内 公輔 渡邊 飛勇★ | 長岡 萌映子★ オコエ 桃仁花★ | 桜木花道 花園百春 青峰大輝 |
C | アンソニー・デイビス ジョエル・エンビード ルディー・ゴベール ニコラ・ヨキッチ カールアンソニー・タウンズ | ニック・ファジーカス ニック・メイヨ デイヴィッド・サイモン シェーファー アヴィ 幸樹★ | 髙田 真希★ 渡嘉敷 来夢 谷村 里佳 | 赤木剛憲 茂吉要(モキチ) 紫原敦 |
黒子テツヤのポジションを考察
黒子のバスケの主人公「黒子テツヤ」のポジションは公式には「不明」とされている。
だが、誠凛高校では、「火神大我」にアシストパスを供給するプレイスタイルだし、幻のシックスマンと言われた帝光中学時代も「青峰大輝」にアシストパスを供給するプレイスタイルだった。
そのことから、役割としては、ポイントガード(PG)が最も近いと思われる。
ただし、ボール運びに参加しない点、交代する選手のポジション(誠凛高校「小金井慎二」、帝光中学「黄瀬涼太」)から考えると、スモールフォワード(SF)と考えることもできる。
つまり、アシストパスに特化したロールプレイヤーであり、シックスマンの「黒子テツヤ」のポジションは公式が言う「不明」で正しいと思うが、強引に決めるのならば「PG/SF」としたい。
ポジションと役割についてまとめ
「ポジション」は役割であり、肩書きです。確かにポジションごとに求められるプレーがあるので、そのポジションの選手がどんなプレーをする選手なのかポジションを聞けばだいたい想像がつきますが、想像通りのプレーばかりでは相手に動きを読まれてしまいます。また、面白くありません。
そのポジションのスペシャリストを目指すのも決して悪くありませんが、バスケットボールは、野球やサッカーなど他の球技に比べて、ポジションや役割は明確でないし、時代によってもどんどん変わるため、最初からポジションを決めて練習すると、成長して身長が伸びたり、逆に身長が伸びなかったりしたときにつぶしがきかなくなってしまうので、あまり得策ではありません。
様々なポジションの動きやスキルを覚えて、どのチームでも、どんな仲間やコーチであっても、しっかりコミュニケーションをとりながら、その場その場で自分の役割を判断し、活躍できる選手を目指そう。