「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」の違いをご存知でしょうか?
「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」の審判のジェスチャー(シグナル)をご存じでしょうか?
本記事は、2023年から「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」に審判ジェスチャーが追加されたことに伴い作成した「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」の解説記事です。
「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」はこんなルール
「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」は似たようなルールですが、要するに以下のようなプレーを防ぐために存在するバイオレーションです。
- 身長やジャンプ力がある選手が、ゴール下にポジショニングして、リング通過間際のボールをはじき出すようなプレー
- リングやボードを動かして、ゴールを妨げるようなプレー
- ゴールにぶら下がり、そのままボールをキャッチしてゴールに入れるようなプレー
実際には余程の身長やジャンプ力が無いとこういうプレーをすること自体が難しいわけですが、これらを認めてしまうとバスケのゲーム性が大きく損なわれるために存在するルールだと思われます。
「ゴールテンディング」とは
「ゴールテンディング」とは、シュートがリングに向かって下降している際に、選手がボールに触れるとコールされるバイオレーションです。
オフェンス側の選手が「ゴールテンディング」をコールされると、たとえゴールしたとしても、ゴールが認められず、相手側のスローインで再開されます。
ディフェンス側の選手が「ゴールテンディング」をコールされると、たとえゴールしなかったとしても、ゴールが認められます。
アリウープパスがショットとみなされない限り、アリウープはゴールテンディングにはなりません。
31-2-1 ショットで、ボール全体がリングの高さより上にある間にプレーヤーがボールに触れた場合、以下のいずれかの条件を満たしているときにゴールテンディングになる:
引用元:“2023 バスケットボール競技規則” 「公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)」
・ボールがバスケットに向かって落ち始めている。あるいは、
・ボールがバックボードに触れた後。
「インタフェアレンス」とは
インタフェアレンスとは、シュートがリングに入る可能性がある状況で、選手がバスケットやバックボードに触れるとコールされるバイオレーションです。
オフェンス側の選手が「インタフェアレンス」をコールされると、たとえゴールしたとしても、ゴールが認められず、相手側のスローインで再開されます。
ディフェンス側の選手が「インタフェアレンス」をコールされると、たとえゴールしなかったとしても、ゴールが認められます。
参考動画
2023年から適用される新しい審判ジェスチャー(シグナル)について
2023年から「ゴールテンディング」と「インタフェアレンス」に審判ジェスチャーが追加されました。
今までは、試合観戦のときに、シュートが外れたのにゴールが認められた状況から判断することで、「あぁ、ゴールテンディングか。」という感じで観ていたと思うのですが、これからは以下の審判ジェスチャーを覚えておくことで、その判定がすぐにわかるようになるので、観戦のときに人に先んじて気づくことができます。
「2023 バスケットボール競技規則」の抜粋と要約
「第31条 ゴールテンディング、インタフェアレンス」の要約
ショットの定義
ショットの始まり:
- ショット動作(アクトオブシューティング)中の選手の手からボールが離れたとき
ショットの終わり:
- バスケットの上からボールが入る
- バスケットにボールが入る可能性がなくなる
- ボールがリングに触れる
- ボールがフロアに触れる
- ボールがデッドになる
「ゴールテンディング」のルール
ゴールテンディングの適用条件
- シュート(ショット)したボールが下降中またはボードに当たった後の状況で、リングよりも上の位置にあるボールに選手が触れた場合に適用される。
- フリースローのシュート(ショット)がリングに触れる前に、選手が触れた場合に適用される。
ゴールテンディングが適用されない条件
- ボールがバスケットに入る可能性が無くなる。
- ボールがリングに触れる
インタフェアレンスのルール
インタフェアレンスの適用条件
- シュート(ショット)したボールがリングに触れている間に、選手がバスケットまたはバックボードに触れたとき
- あとにもう一度フリースローが続く場合(つまり、そのフリースローの直後にリバウンドを取りに行く必要が無い場合)、バスケットにボールが入る可能性が残っている状況で選手がバスケットまたはバックボードに触れたとき
- リングの下から手を入れてボールに触れたとき
- ディフェンスの選手が、バスケットの中のボールに触れたとき
- バスケットを揺らしたり、掴んだりして、ゴールを妨げたとき
- バスケットを掴んだ状態で、ボールにプレーしたとき
その他の適用条件
たとえ、シュート中、またはシュート動作直後に、審判が笛を吹いたときや、クォーターやオーバータイムの終了ブザーが鳴ったとしても、シュートしたボールがバスケットの入る可能性が残っている状況では、「ゴールテンディング」、「インタフェアレンス」の規定は適用される。
罰則について
オフェンス選手のバイオレーション:
- 得点が無効になる。
- 別の規定がある場合を除き、相手チームにフリースロー延長線上からのフリースロ―が与えられる。
デイフェンス選手のバイオレーション:
- バスケットに入った場合と同様に、得点が認められる。
- 最後のフリースロー(つまり、フリースロー直後にリバウドが発生するケース)でのバイオレーションは、得点が認められ、さらにテクニカルファウルが記録される。(ただし、最後のフリースローはリングに当たった時点で終了するため、その後のバイオレーションにテクニカルファウルはコールされない。)