2023年4月に「U12 TOサポーター マニュアル」がJBA公式ページに追加され、ダウンロードできるようになりました。
2022年4月に「TO主任」という役割が正式に定義されたことに続いてのTO関連の新たな役割の追加になります。
最初ミニバス版の「TO主任」なのかと思いましたが、ちょっと役割や目的が異なるようです。
というわけで本記事では、「TO主任」と「U12 TOサポーター」の違いと「U12 TOサポーター マニュアル」要約を作成しました。
定義の違い
「TOサポーター」:TOをサポートする大人
「TO主任」:TOをサポートする人
定義に大きな違いはありませんが、「TOサポーター」は大人となっています。実際に成人しているかどうかではなく、要するに保護者をイメージした表記なのかと思います。
TOサポーターの定義
引用元「U12 TOサポーター マニュアル(2023 年 4 月)」
- 「TOサポーター」とは、U12のゲームで、TOを行う子どもたちをサポートする大人のことです。
- TOは、審判と一緒に一つのチームとなって、ゲームを公正かつ円滑にすすめる、とても大切な役割を担っています。
子どもたちが誇りと責任感をもって TOの仕事に取り組めるよう、サポートをお願いします。
TO主任の定義
- TO主任とは、TOがゲームにおいて役割を十分に果たせるようサポートする人のことである。
- TO主任は、審判、TOとともに、ゲームの公正かつ円滑な運営に携わるオフィシャルチームの一員である。
なお、競技規則第45条に定める「コミッショナー」とは別の立場である。
引用元「TO 主任マニュアル 20230401版」
期待される仕事や役割の違い
「TOサポーター」:見守り、声掛け、審判とのコミュニケーション
「TO主任」:試合前の準備、審判とのコミュニケーション、トラブルや重要場面でのサポート
期待される仕事や役割には明確な違いがあります。
「TOサポーター」はどちらかというと指導的な側面を期待されており、「TO主任」は円滑な試合の運営を期待されているのだろうと思います。
TOサポーターに期待される仕事
引用元「U12 TOサポーター マニュアル(2023 年 4 月)」
- 「U12 TO マニュアル ハンドブック」(JBA TO委員会) の内容に沿ってサポートしてください。
- ゲーム中、スコアラーズテーブルの後ろから子供たちを見守り、必要に応じて声をかけてください。TOのやり方を教えるだけでなく、うまくできたときには「グッジョブ︕」、間違えたときには「大丈夫だよ。落ちついてやろう︕」など、はげましたり、不安を取り除いたりする声かけも大切です。
- ミスやトラブルなど、困ったことが起こったときは、審判を呼んで状況を説明し、指示を仰いでください。ただし、審判を呼ぶのは、ゲームが止まっているとき(ゲームクロックが止まって、ボールがデッドのとき)に限ります。プレーしている最中にブザーを鳴らして審判を呼んではいけません。
TO主任の役割
TO主任は、以下の役割を担う。
引用元「TO 主任マニュアル 20230401版」
① ゲーム前の準備
② ゲーム中のTOクルーの仕事のサポート
③ TOクルーと審判や各部署とのつなぎ役
④ 重大な場面でのブザーの合図(※)
⑤ トラブル発生時の TOクルーのサポート
※ 第4Qまたは OTの最後の2分の場面で、ショット成功後のタイムアウトまたは交代の請求に、スコアラーが対応できなかったときは、TO主任がブザーを鳴らす。
ゲーム中のサポートのポイントの要約
TOサポートのポイント
- 「U12 TO マニュアル ハンドブック」(JBA TO 委員会) の内容に沿ったサポートをする。
- スコアシートの記入や機械の操作だけでなく、TO同士のコミュニケーションを促す。
- 子どもたちがうまくできたときには「グッジョブ︕」、間違えたときには「大丈夫だよ。落ちついてやろう︕」など、はげまし、不安を取り除く声かけを心掛けます。
- 困ったことが起こったときは、審判を呼んで状況を説明し、指示を仰ぎます。ただし、プレーしている最中に審判を呼ぶことはできません。
ただし、経験の少ない子どもに「あれもこれも」と伝えすぎても、混乱を招くことがあります。子どもたちの様子を見ながら、できることを少しずつ増やしていってあげてください。
引用元「U12 TOサポーター マニュアル(2023 年 4 月)」
スコアラーのポイント
- スコアシートに得点やファウルなどを正しく記入しているか
- 審判がファウルのレポートをするとき、アイコンタクトして、サムアップ(OKサイン)ができているか
- タイムアウトや交代の合図を正しく行っているか
- ジャンプボールシチュエーションのとき、アローの反転を正しく行っているか
- スコアシートのラニングスコアとスコアボードの表示が一致しているか
- ベンチからのタイムアウトや交代の請求に注意する
- 2クォーターが終わったら(前半が終わったら)、両チームのベンチでつけていたスコアシートと照らし合わせて、前半のファウル回数、得点、後半の最初にスローインするチームを確認するときは立ち会う
アシスタントスコアラー
- 個人ファウルとチームファウルの個数を、正しく表示しているか。
- チームファウルペナルティーの赤色の標識を、正しく表示しているか。
- 得点が入ったときにスコアボードの得点をコールしているか。
タイマー
- ゲームクロックを動かすとき、「スタート」とコールすると同時に「手を握る」、その後「手を下ろす」の2段階の動作をしているか。
- ゲームクロックを止めるとき、「ストップ」とコールして、その瞬間に手を上げているか。
- フリースローのとき、最後の一投の前に手を上げているか。
フリースロー以外でも、交代があるときなど、少し間があるときは、一度上げた手を下ろしても構いません。ただし、次にゲームが再開するときは、手を上げておきます。
引用元「U12 TOサポーター マニュアル(2023 年 4 月)」
- タイムアウト(45 秒) を計測しているか。
- タイマーがスコアボードの操作をする場合、得点入力よりスタート/ストップの操作を優先しているか。
ショットクロックオペレーター
- ショットクロックを動かすとき、ボールのコントロールの始まりを見極めて「スタート」のコールとともにショットクロックを操作しているか
引用元「U12 TOサポーター マニュアル(2023 年 4 月)」
- ボールのコントロールの始まり・終わりの見極めは、大人にとっても難しい技術です。ショットクロックオペレーターが誤ってリセットしてしまい、審判から修正の指示があったときには、残り何秒だったかの情報が必要です。TOサポーターは、ショットクロックの残りの秒数に注意を払いながらゲームを見守るようにしてください。
- ゲームクロックがスタート/ストップするときは、「ジャンプボール後のスタート」「最後のフリースローが不成功でボールがリングに当たったあとのスタート」を除き、ショットクロックも同時にスタート/ストップします。タイマーとショットクロックオペレーターが同時に「スタート︕」「ストップ︕」とコールしてそれぞれのクロックを操作することを目指させてください。
- ショットクロックを止めるときは、審判が笛を確認し「ストップ」のコールとともに、一旦ストップしてから、審判シグナルを確認してから、[継続]か[リセット]を判断しているか
引用元「U12 TOサポーター マニュアル(2023 年 4 月)」
- 審判の笛でストップしたあとは、残りの時間を継続する場合と、24 秒または 14 秒にリセットする場合がありますが、継続すべき場面で誤ってリセットしてしまうと、ゲームを中断してショットクロックの修正をしなければなりません。このような事態を引き起こさないために、ショットクロックオペレーターは「審判の笛が鳴ったときは、必ず一度ストップし、審判のシグナルを確認して継続かリセットかを判断する」ことを習慣化しておくことが大切です。よい習慣がU12の段階から身につくよう、サポートをお願いします。
- フリースローのときと、24秒リセットのスローインのときに表示を消しているか※
※表示を消す操作は[24秒リセット]ボタンを長押しする場合が多いです。 - ボールがリングに触れた瞬間に表示を消しているか※
※表示を消す操作は[24秒リセット]ボタンを長押しする場合が多いです。 - 各クォーター、各クォーターの終わりに表示を消して※、開始時には「24」を表示しているか
※非表示にできない場合は「24」のままでよいと思います。 - 左側のチームのチームファウルタワーを担当するときは、表示タイミングは正しいか。(「【アシスタントスコアラーの役割】~TOチームのコミュニケーションの要~」)
所感
今回「U12 TOサポーター マニュアル」を精読しましたが、「TO主任」とはちょっと違う役割なのかなと思いました。
つまり選手やコーチなどのチームスタッフが担当する正式な立場を「TO主任」と定義して、保護者が担当する場合など、チームスタッフ以外が担当する正式でない立場のことを「TOサポーター」というイメージで定義づけされたのかなぁという印象です。
「TOサポーター」は「TO主任」のようにTOチームのリーダーのような役割ではなくて、TOチームをサポートする立場のようですが、要するにU12では子供たちにTOを教える負荷が非常に高いので、サポートという立場を設けることで、子供たちの指導や面倒をみる仕事をあまりバスケに詳しくない保護者でも担当できるようにハードルを下げることが目的なのでしょうね。きっと。
解釈が違っていたらすみませんが、少しでも広く多くの大人が関わることができる環境づくりがミニバスでは重要な気がしますので、本記事がこの運用の一般化に少しでも寄与できればいいなと思っています。