※2022年4月10日:2022年4月施行の新ルールに対応。
※ 21.12.2 「フリースロー「挟み込み」のルール」追記
※'21.7.19「フェイク」について“JBA プレーコーリング・ガイドライン”引用説明を追加
「テクニカルファウル」とは

身体の接触をともなわないファウルのこと。
- 審判からの警告を無視する
- 敬意を欠く苦情や振る舞い
- 観客を挑発する、あるいは煽動する
- 威嚇・挑発・侮辱する行為
- ゲームの進行を遅らせる行為
- ボールや⾝に着けているもの・⽤具・器具を破損するおそれのある⾏為
- ゲームの⼿続き上の規則、運営・管理に関して違反すること
「テクニカルファウル」と「タイムアウト」の審判のジェスチャーは似ているので、注意が必要です。
- 「テクニカルファウル」:Tを表すように上の手を地面と水平に、下の手を地面と垂直に、5本指を真っすぐにして上の手のひらに合せる。
- 「タイムアウト」:Tを表すように上の手を地面と水平に、下の手を地面と垂直に、人差し指で上の手のひらを指さすように合せる。
テクニカルファウルの罰則
- 宣告された選手にテクニカルファウルが記録され、フリースロー1本が相手チームに与えられる。ただし、パーソナルファウルと異なり、ボールの所有権は変わらない。
- 出場選手以外が対象場合は、ヘッドコーチにテクニカルファウルが記録され、フリースロー1本が相手チームに与えられる。
- テクニカルファウルを2個、もしくはテクニカルファウルとアンスポーツマンライクファウルを1個ずつ記録されたプレーヤーは失格・退場になる。
- ヘッドコーチ自身のテクニカルファウル「C」が2個記録された場合、チームベンチに座ることを許可された者のスポーツマンらしくない振る舞いによって、ヘッドコーチにテクニカルファウル「B」が3個記録された場合、あるいはそれらのテクニカルファウルとヘッドコーチ自身のテクニカルファウル「C」とを合わせて3個のファウルが記録された場合はヘッドコーチは失格・退場になる。
テクニカルファウルによって与えられるフリースローは、他の罰則よりも優先して「挟み込み」で⾏われます。ファウル宣告時にボールポゼッションを持っていたチームのスローインで再開されます。
「テクニカルファウル」がコールされる場面
選手に与えられるテクニカルファウル
- 「※テクニカルファウルになりやすい行為」参照
- 相手チームのプレーヤーの視野を妨げる
- 相手チームのシュートを声や音で故意に邪魔をする
- 肘を激しく振り回す
- 相手チームのゴール後のボールに故意に触れる
- リングを掴んで体重をかける。ただし、危険を避けるための行為は除く
- 最後のフリースローでボールがリングに触れる前にゴールテンディングのバイオレーションをしたとき
- フェイク(ファウルをされたと欺くこと)
コーチに与えられるテクニカルファウル
- 「※テクニカルファウルになりやすい行為」参照
- プレイヤーに対する暴言
- 第三者が不快と感じる振る舞いや暴力的な振る舞い
- ベンチメンバーやスタッフによるファイティングが宣告された場合
- マネージャー、通訳などベンチメンバーが⽴ち続けてヘッドコーチの役割をしたり、ゲームに関して異論を表現したりすること
- ゲーム中、携帯電話で外部と通話を⾏うこと(緊急の事態を除く)
「テクニカルファウル」の判断基準
“JBA プレーコーリング・ガイドライン”より抜粋
7.テクニカルファウル(TF)
ゲームは両チームのプレーヤー、交代要員、ヘッドコーチ、ファーストアシスタントコーチ、5 個のファウルを宣せられたチームメンバーやチーム関係者、審判、テーブルオフィシャルズなどすべての⼈たちの協⼒によって成⽴するものであることを理解することが重要である。
また、ゲームを尊重する精神(Respect for the game)に則り、状況と内容を判断し、審判は注意・警告を与えることなくただちにテクニカルファウルを宣してもよい。テクニカルファウルによって与えられるフリースローは 1 本が挟み込みで⾏われ、ゲームはテクニカルファウルが宣せられた状況から再開される
(1)ベンチおよびプレーヤーが審判、テーブルオフィシャルズ、相⼿チーム、⾃チーム、観客に対して相⼿を尊重しない態度で接すること(ゲームを尊重する精神(Respect for the game)に反する振る舞い)
- 威嚇や挑発⾏為
- 継続的、もしくは⼤きなジェスチャーなどでゲームに関して異論を表現すること
- 不適切な表現や⾔語
- ベンチにいるメンバーがゲームの進⾏や運営に⽀障をもたらすこと
- マネージャー、通訳などベンチメンバーが⽴ち続けてヘッドコーチの役割をしたり、ゲームに関して異論を表現したりすること
- ゲームを安全かつスムーズに運営するために審判が出した指⽰に従わないこと
- ボールや⾝に着けているものなどを強く叩きつけたり、投げたりすること
- ⽤具・器具を破損するおそれのある⾏為(リング⽀柱を叩いたり、看板を強く蹴るなど)
- 審判に対して、異論を唱えるためにボール等を投げる⾏為
- 観客に対して、不作法にふるまったり、挑発するような⾔動をとったりすること
- コーチが選⼿(⾃チーム・他チーム含む)に対して、⼈権・⼈格、⾝体的特徴、⾃尊⼼等を否定する暴⾔・暴⼒的⾏為
- ゲームの⼿続き上の規則、運営・管理に関して違反すること
- 肘を激しく振り回すこと(ノーコンタクト)
- ゲーム中、携帯電話で外部と通話を⾏うこと(緊急の事態を除く)
(2)ゲームの進⾏を遅らせる⾏為(ディレイオブゲーム)
- バスケットを通過したボールに故意に触れること
- 笛が鳴った後などで審判にボールを返さないこと
- ボールがすばやくスローインされることを妨げること(1 度⽬はバイオレーション、2 度⽬以降もしくはゲームの残り2分ではテクニカルファウル)
11.フェイク(FAKE FOUL)
(1)基本的な考え⽅
オフェンス・ディフェンスともにファウルをされたようにみせかけ、ゲームに関係する⼈達を欺くプレーをなくす
(2)フェイクに対する対応
- フェイクが起きた責任エリアの審判がジェスチャー(⽚⽅の⼿のひらを2回招くように)を明確に⽰す(クルーで共有)
- ボールデッドで時計が⽌まった時に、該当選⼿及びベンチに対して、その近くにいる審判が速やかに明確に伝える
- フェイクが起きた後、ボールデッドで時計が⽌まる前に、同じチームの選⼿が再びフェイクをした場合は、2 回⽬のフェイクという理解でTF を適⽤する
- 「ノーコンタクトのフェイク」はExcessive Fake(あまりに過度なフェイク)として、ただちに、TF を宣する(⼀発)
またそれに準ずる過度なフェイクもダイレクトテクニカルの適⽤対象とする - ディフェンスファウル(または、オフェンスファウル)とフェイクが同時におきたと判断できる場合、ファウルを優先して判定する
- ディフェンスファウル及びオフェンスファウルを宣した場合、原則、フェイクは適⽤されない
- オフェンス選⼿も、ファウルを受けたように⾒せるため倒れるなどのプレーはフェイクとする
(3)テクニカル時の対応
- 選⼿に対して 1)⼿を上げ、時計を⽌める 2)フェイクのジェスチャーを⽰す 3)テクニカルを⽰す
- TO に対して 1)チーム及び選⼿の番号を⽰す 2)フェイクのジェスチャーを⽰す 3)テクニカルを⽰す

フェイク・ファウル・シグナル(Fake foul signal)
図のように腕で招くように2 回シグナルをすることで、フェイクが起きたことを⽰す。(レイズ・ザ・ローアー・アーム)
「テクニカルファウル」の公式ルール
“2022 バスケットボール競技規則” 「公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)」より引用
第36 条 テクニカルファウル (TF:Technical foul)
36-1 言動や振る舞いに関する規定
36-1-1 ゲームは、両チームのプレーヤー、ヘッドコーチ、アシスタントコーチ、交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバー、チーム関係者、審判、テーブルオフィシャルズ、コミッショナー(同席している場合)を含むこれら全ての人たちの完全な協力によって成立するものである。
36-1-2 両チームは勝利を得るために全力を尽くさなければならないが、これはスポーツマンシップとフェアプレーの精神に基づいたものでなければならない。
36-1-3 競技規則の精神と目的に対して、意図的にあるいは繰り返し行われる非協力的な行為は、テクニカルファウルとみなされる。
36-1-4 審判は、明らかに意図的ではなくゲームに直接的に影響のない軽微な違反については、テクニカルファウルを科さずに警告を与えることがある。ただし、警告の後もその同じ違反が繰り返し続く場合はその限りではない。
36-1-5 ボールがいったんライブになってから、前に起こったこの規則に該当する違反が見つかった場合は、見つかったときにテクニカルファウルがあったものとして処置をする。
この規則に該当する違反があってからそれが見つけられるまでに起こったことは、全て有効である。
36-2 定義
36-2-1 テクニカルファウルは、相手チームのプレーヤーとの体の触れ合いのない振る舞いであり以下が該当するが、これらに限るものではない:
- 審判からの警告を無視する
- 審判、コミッショナー、テーブルオフィシャルズ、相手チーム、あるいはチームベンチに座ることを許可された者への敬意を欠く振る舞い、異論表現
- 観客に対して無作法に振る舞ったり挑発する、あるいは煽動するような言動をとる
- 相手チームのプレーヤーを挑発したり侮辱する
- 相手チームのプレーヤーの目の前で手を振ったり、手をかざしたりして視野を妨げる
- 肘を激しく振り回す
- バスケットを通過したボールに故意に触れる、またはボールが素早くスローインされるのを妨げてゲームの進行を遅らせる
審判にボールを返さずにゲームの進行を遅らせるような行為等も上記項目に該当する。
- フェイク(ファウルをされたと欺くこと)
- リングをつかんで体重をかける。ただし、ダンクショットのときにやむを得ず瞬間的にリングをつかむことは差し支えない。また自分や他のプレーヤーが怪我をするのを避けようとしたと審判が判断したときは、リングをつかんでもテクニカルファウルとはしない
- 最後のフリースローでボールがリングに触れる前にゴールテンディングのバイオレーションをしたときは、オフェンスのチームに1点が与えられ、さらにそのディフェンスのプレーヤーにテクニカルファウルが宣せられる。
36-2-2 チームベンチに座ることを許可された者によるテクニカルファウルは、審判、コミッショナー、テーブルオフィシャルズ、相手チームに対して失礼な態度で接したり、体に触れたりする行為、またゲームの進行や運営に支障をもたらしたりする違反のことをいう。
36-2-3 テクニカルファウルを2個あるいはアンスポーツマンライクファウルを2個、もしくはテクニカルファウルとアンスポーツマンライクファウルを1個ずつ記録されたプレーヤーは失格・退場になる。
36-2-4 ヘッドコーチは以下の場合、失格・退場になる。
- ヘッドコーチ自身のスポーツマンらしくない振る舞いによるテクニカルファウル「C」が2個記録された場合
- チームベンチに座ることを許可された者のスポーツマンらしくない振る舞いによって、ヘッドコーチにテクニカルファウル「B」が3個記録された場合、あるいはそれらのテクニカルファウルとヘッドコーチ自身のテクニカルファウル「C」とを合わせて3個のファウルが記録された場合
36-2-5 プレーヤーもしくはヘッドコーチが、36-2-3あるいは36-2-4に則り失格・退場処分となる場合、テクニカルファウルによる罰則のみが与えられ、失格・退場による追加の罰則は与えられない。
36-3 罰則
36-3-1 テクニカルファウルが宣せられたときは、次のように記録をする:
- プレーヤーの場合は、そのプレーヤーに1個のテクニカルファウルが記録され、チームファウルに数える
- チームベンチに座ることを許可された者の場合は、ヘッドコーチに1個のテクニカルファウルが記録され、チームファウルに数えない
36-3-2 相手チームに1本のフリースローが与えられ、ゲームは次のように再開される:
- フリースローは直ちに行う。フリースローの後、テクニカルファウルが宣せられたときにボールをコントロールしていたか、ボールが与えられることになっていたチームに、ゲームが止められたときにボールがあった場所から最も近いアウトオブバウンズでスローインが与えられる
- フリースローは、他のファウルによって適用される罰則の順序にとらわれることなく、さらにすでに行われている罰則の途中であっても、それらに関わらず直ちに行う。テクニカルファウルのフリースローの後は、テクニカルファウルが宣せられたときにボールをコントロールしていたか、ボールが与えられることになっていたチームよって、テクニカルファウルの罰則のためにゲームが止められた時点からゲームを再開する
- フィールドゴールや最後のフリースローが成功して得点が認められた場合は、エンドラインの任意の位置のアウトオブバウンズからスローインをしてゲームを再開する
- どちらのチームにもボールのコントロールがない場合は、ジャンプボールシチュエーションとなる
- 第1クォーターを始める場合は、センターサークルでのジャンプボールになる