※2022年4月10日:2022年4月施行の新ルールに対応。
※2022年3月20日:「イリーガルユースオブハンズ」と「ハンドチェッキング」の定義を修正。
手で相手に触れる行為はどこまでがセーフでどこからがファウルになるのでしょうか。
バスケのファウル判断の中でも、チャージング(オフェンスファウル)とプッシング(ディフェンスファウル)の判断に次いで判断が難しく、審判によるばらつきの大きい部分です。
正確に理解することで、少しでも有利にプレーできるようにしましょう。
イリーガルユースオブハンズ(illegal use of hands)とは
不当に手、腕、肘を使った(「はたく」、「掴む」)パーソナルファウルのこと。
このうち相手の手をはたくファウルのことはかつてはハッキングと呼ばれた。
ハンドチェッキング(ハンドチェック)とは
手で故意に相手選手に触れること。
- 両手で相手に触れる
- 肘を伸ばして相手に触れる
- 何度も相手に触れる
- 長い時間触れ続ける
ファウルの判定の中でも特に審判によって判断に幅があるファウルです。
<参考>
2004-05シーズンからNBAが導入した『ハンドチェック禁止』のルールでは、攻撃時の選手に対し、ディフェンス側が選手の身体に手と腕で触れることを禁じている。
オフェンスの動きの自由度を高める目的で導入されたが、フィジカルの強いインサイドの選手が活躍しづらくなり、ガードやアウトサイドの選手が活躍しやすくなった。
このルール変更が無ければステフィン・カリーやジェームス・ハーデンの今の活躍は無かったかもしれないといわれるぐらい影響の大きいルール変更だった。
イリーガルユースオブハンズのファウル判断
“JBA プレーコーリング・ガイドライン”より引用
基本的考え⽅
- オフェンス・ディフェンスのどちらかに、不当に有利・不利が⽣じないようにする必要があり、プレーヤーの FOM(Freedom of Movement︓オフェンス・ディフェンス共にコート上を⾃由に動く権利)を確保し、クリーンでスムーズなゲームを提供する
- イリーガルな⼿・腕・肘は、その試合の中でラフなプレーを引き起こす原因となるため整理する必要がある
- イリーガルな⼿・腕・肘は、ディフェンスだけでなくオフェンスに対しても整理をする必要がある
- イリーガルな⼿・腕・肘は、ディフェンスとオフェンスのリアクションではなくアクションに対して判定する必要がある
イリーガルユースオブハンズをコールされないように気をつけたいプレー
“JBA プレーコーリング・ガイドライン”より引用
ディフェンスのイリーガルな⼿・腕・肘(HAND-CHECKING 含む)
- ボールを持っているプレーヤーに、両⼿を使う(ハンドチェックの適⽤)
- ボールを持っているプレーヤーに、⽚⼿でも肘が伸びた状態で触れ続ける(ハンドチェックの適⽤)
- ボールを持っているプレーヤーに、触れ続ける(ハンドチェックの適⽤)
- ボールを持っているプレーヤーに、短い時間であるが何回も触れる(ハンドチェックの適⽤)
- ポストディフェンスで、シリンダーをこえたアームバー
- オフェンスを⼿・腕・肘でロック(Lock)し⽌める
- ピック&ロール等のスクリーンプレーで、スクリーナーに対してすり抜けるために⼿・腕・肘を使う
- ピック&ロール等のスクリーンプレーで、スクリーナーやユーザーの次の動きを妨げるため⼿・腕・肘を使う
オフェンスのイリーガルな⼿・腕・肘
- ボールを持ったプレーヤーがディフェンスを抜くために⼿・腕・肘を使って相⼿をロック(Lock)し⽌める
- オフボールのオフェンス(ポストプレー含む)が、ディフェンスの⾝体に対し腕を巻いて抑える
- オフボールのオフェンス(ポストプレー含む)が、⼿・腕・肘を使ってディフェンスの腕を巻く
- オフボールのオフェンス(ポストプレー含む)が、スペースを作りボールをもらうためにシリンダーを越えた⼿・腕・肘でディフェンスをロック(Lock)して⽌める