※2022年11月9日:「怪我をしてしまったときは」に「頭を強く打っている」を追加
※2022年10月24日:関連記事に「【自分でテーピングを巻く方法】~動画で覚える応急処置法~」を追加
※2022年5月20日:「怪我をしてしまったときは」を追加
バスケをする子どもの怪我を防ぐために親ができることは、食事と運動と休養のバランス、つまり生活習慣を整えることに尽きるんじゃないかと思っています。
お子さんがバスケをやっていると送迎やら弁当やらで親の時間も足らなくなるので、ついつい子供の体調のケアを怠ってしまいがちです。
自分の場合、実際に子供が怪我をしてしまってから、後で気がつくことが多かったので、怪我予防について、保護者があらかじめ知っておくと良さそうなことをまとめておきます。
バスケの怪我
バスケでは様々な怪我が起こります。
- 筋肉痛や肉離れ
- 靭帯や腱の損傷(突き指、足首捻挫、膝靭帯損傷)
- オスグッド病 (オスグッド・シュラッター病)
- 骨折
など、試合中や練習中、様々な怪我に見舞われます。すべてを予防して完璧に防ぐことは難しいでしょうが、予防法や対処法にはなんとなくセオリーのようなものがあると思いますので、まとめておきます。
バスケの試合や練習で怪我をしやすいシチュエーション
- 試合前の練習やウォーミングアップ
- ボールをキャッチするとき(パスキャッチ、リバウンド)
- シュートの着地
- ドリブルでゴールに向かうプレー
- リバウンド争いなど接触プレー
- ルーズボールなどに飛び込むプレー
- 練習のし過ぎ(オーバーワーク)
予防法
- 規則正しい生活(食事・睡眠・入浴)
- 準備運動やストレッチ
- バッシュを正しく履く
- 装具を着ける(テーピングやサポーター)
- オーバーワークに注意する
対処法
怪我の応急処置の基本「RICE処置」を覚えておきましょう。
- Rest(安静)
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(心臓より高く幹部を上げる)
ただし、上記はあくまで応急処置なので、実際の怪我の際は、整形外科等を受診してください。
病院に行くほどではないような軽度な怪我の場合は、安静にして回復を待つ場合もありますが、ある程度炎症あるいは痛みが軽くなってきたら、入浴で患部を温めたり、適切なマッサージや軽い運動を少しづつ行っていきます。無理なく練習や試合に参加できそうなときでも、患部に負担がかからないようにサポーターやテーピングなどで補助や固定をしっかり行ってください。
怪我をしてしまったときは
できるだけ無いほうがいいのですが、ときに応急処置ではどうしようないほどの怪我を負ってしまうこともあります。以下のような場合は安易に素人判断をせず専門医を受診しましょう。
- 意識がない
- けいれんがある
- 頭痛
- 吐き気/嘔吐
- 出血がひどい
- 嘔吐が止まらない
- 激しい痛み
- 手足の運動障害
- 顔色が明らかに悪い
- 頭を強く打っている
バスケで怪我をするときはだいたい病院の時間外救急のお世話になります。地域によって対応が違いますのでいざという時のために保険証いつも持っておくことと下記のようなアプリをインストールして準備しておくと良いと思います。
ファストドクターは全国の医療機関から構成されている時間外救急の総合窓口(プラットフォーム)です。
症状に応じて救急病院案内や夜間休日往診、オンライン診療などの適切な医療を選択できるよう支援しています。
地域の皆様の夜間休日の安心と健康を守るため、総勢1,250名の医師(常勤医・非常勤医)が24時間365日体制で連携、協力し活動しています。
全国の医療機関に向けて、2016年から「往診救急事業」を行い、2019年からは「臨時当直医事業」を展開しています。
練習や試合で怪我をしないための準備
ストレッチ
ストレッチはいつやると効果的か
ストレッチは練習前と練習後の両方やるのが効果的です。また、入浴後のストレッチも効果的と言われています。
また、ストレッチには、筋肉を弛緩させ柔軟性を高めることで、怪我を予防する効果があるだけでなく、疲労を軽減する効果もあるため、練習効率を高める意味でも重要です。
練習前と練習後は所属チームで行うことがほとんどだと思いますが、そういう時間を設けていないチームに所属している場合は、家でやったほうがいいでしょう。
短い時間で良いので継続することが大切なので、家でコツコツと毎日続ける必要がありますが、特にミニバス(小学生)の場合は親が仕向ける必要があるためかなり大変です。親と柔軟性を競ってみたり、柔軟動画を撮影してみたり、、、。
どんなストレッチをすれば良いか(参考書籍・参考サイト・参考動画)
私は↓この本を参考にしましたが、もう古いかもしれませんので、検索ページをリンクにしました。
ただし、怪我をしてしまったときのストレッチはかならず専門家の指示にしたがいましょう。突き指を引っ張るなど間違ったストレッチをしてしまうと余計悪化させてしまう恐れがあります。
アイシング
突き指や捻挫、打撲、骨折の場合は、まずアイシングが重要です。
安静を保ちながら患部を冷却し、内出血や腫れの進行を抑えます。
アイシングをすると冷たさからの痛みが来ますが、我慢していると次第に暖かく感じるようになり、もっと我慢していると感覚が無くなります。そこで必ずストップです。そのまま続けると凍傷になる恐れがあるためです。
氷のうで20分~30分ぐらい冷やすのが目安と言われています。
食事
たくさん運動するならたくさん食べるのが基本です。
普段の食事
特にミニバス世代の小学生が普段の食事で積極的に摂取したほうが良いのは、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、スポーツやっているやっていないに関わらず年代的に不足しがちなのだそうです。
不足しがちな栄養素 | 含まれる食品 |
---|---|
カルシウム | 乳製品、小魚、大豆など |
ビタミンD | 青魚、きのこ類、(日光浴)※ |
ビタミンK | 納豆、緑黄色野菜 |
試合や練習前後の捕食
試合や練習前は、エネルギーをすばやくチャージできるものが良いです。
- おにぎり
- アンパン
- オレンジジュース
- バナナ
- 糖質ゼリー類
試合や練習後は、傷んだ身体の組織を修復するために、炭水化物とタンパク質が重要です。
- おにぎり
- サンドイッチ
- 牛乳
- ヨーグルト
- 魚肉ソーセージ
- プロテイン
怪我を予防するという観点だけでなく、スポーツをするということは自分の身体と向き合うことなので、食事と運動、それから睡眠と健康な生活を送るための基礎を身に付けてほしいですね。
サポーター、テーピング
捻挫が多い子はあらかじめサポーターやテーピングで補助をすると良いかも知れません。
ただ、いつも無理やり固定していると、必要な筋力が育たず余計捻挫しやすくなってしまうので、ほどほどにしておいた方がいいかも知れません。
試合中の怪我と介助の公式ルール
“2022 バスケットボール競技規則” 「公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)」より引用
第5条 プレーヤー:怪我と介助 (Players:Injury and assistance)
5-1 プレーヤーが怪我をした場合は、審判はゲームを止めることができる。
5-2 怪我が発生したときにボールがライブであれば、ボールをコントロールしているチームがショットを放つか、ボールのコントロールを失うか、ボールをコントロールしているチームがプレーをすることを控えるか、ボールがデッドになるまで、審判は笛を吹かない。怪我をしたプレーヤーの保護が必要な場合は、審判は速やかにゲームを止める。
5-3 怪我をしたプレーヤーが速やかに(約15 秒以内で)プレーを継続できない場合、手当てを受ける場合、あるいは自チームのヘッドコーチ、アシスタントコーチ、チームメンバー、チーム関係者のいずれかから何らかの介助を受けた場合、そのチームのコート上のプレーヤーの数が5人未満になってしまう場合を除いて、そのプレーヤーは交代をしなければならない。
「介助」とは、様子を見ることを含めて自チームのプレーヤーのためにチームベンチエリアを離れることをいう。ゲームの再開を滞らせない範囲で、コート内に入ることなく、自チームのチームベンチエリア付近にて、15 秒以内で介助を終えることができる場合、その行為は「介助」に含まない。
5-4 ヘッドコーチ、アシスタントコーチ、交代要員、5 個のファウルを宣せられたチームメンバー、チーム関係者は、審判が許可をしたときに限り、怪我をしたプレーヤーを介抱するためにコートに入ることができる。
5-5 ドクターの判断により怪我をしたプレーヤーが直ちに手当てを必要とする場合は、ドクターは審判の許可なしにコートに入ることができる。
5-6 ゲーム中に出血したり傷口が開いたりしているプレーヤーは、交代をしなければならない。そのプレーヤーは、出血が止まり開いている傷口が完全かつ安全に覆われた後でのみ、コートに戻ることができる。
5-7 怪我をしたプレーヤーや、出血したり傷口が開いたりしているプレーヤーが、どちらかのチームに認められたタイムアウト中に回復した場合、タイマーの交代のブザーの前であれば、そのプレーヤーはプレーを続行することができる。
国内大会においては交代のブザーはスコアラーが鳴らす。怪我をしたプレーヤーの交代を知らせるためにスコアラーがブザーを鳴らすよりも前にタイムアウトが認められ、そのタイムアウトの間に手当てが終わった場合を指す。
5-8 ヘッドコーチによってゲームの最初に出場すると指定されたプレーヤー、あるいはフリースローの間に手当てを受けるプレーヤーが怪我をした場合は、交代をすることができる。この場合、相手チームも希望をすれば、同じ人数だけプレーヤーを交代することができる。
怪我をしたプレーヤーに手当てを受けさせる場合は、フリースローの1本目のボールがフリースローシューターに与えられた後であっても、1本目と2本目のフリースローの間、あるいは2本目と3本目のフリースローの間に当該プレーヤーを交代させることができる。