JBAではU12、U15カテゴリーの試合において、マンツーマンディフェンスを推進していますが、2023年からちょっとルールが変わります。
できるだけわかりやすくルールをまとめましたので、マンツーマンコミッショナーを始めてやる方やルールを理解して安心してプレーしたい選手はぜひ一読ください。
マンツーマンディフェンスとは
自分が守る相手の選手に一人ずつ守りをつけることです。つまり、5人の守備側の選手がそれぞれ1人ずつ相手の選手を守ります。
〔マンツーマンディフェンスとは〕
① マッチアップが 5 人共に見られること。
「マンツーマンディフェンスの基準規則 ( 2022 年度改訂・ 2023 年度施行)」より引用
② スイッチは可能であるが、エリアを守り続ける目的のスイッチは許容されない。
③ オンボールディフェンスは、マッチアップし、ボールマンのシュート・ドリブル・パスを制限しようとすること。
④ オフボールディフェンスは、マークマンとの関係により、ポジショニング・ビジョンを取ること。ヘルプ、トラップ、ローテーションが発生することは可能とする。
⑤ マッチアップの状況からポジショニング・ビジョンが適切ではない状況が生じた場合、組織的,意図的でなければ個人のミス、技術不足、判断であると見なして、瞬間の現象を捉えるだけではゾーンディフェンスであるとは見なさない。
⑥ マッチアップの状況からトラップが生じた場合、ゾーンディフェンスをしているとは見なさない。しかし、これを意図的、組織的に連続して行う場合は目指すマンツーマンディフェンスではない。(スクランブルディフェンス状態)
マンツーマンディフェンスのやり方
「マッチアップ」とは
マッチアップとは、ディフェンス側がオフェンス側の1人の選手に対して1対1で守ることを指します。マッチアップエリア内では、このマッチアップのルールが常に適用されて、注意や警告の対象となります。
正しいマッチアップをアピールするために以下の4点に気を付けましょう。
- マークしている選手の番号を言う(ナンバーコール)
- ボールマンとマークしている選手をなるべく見る
- ボールマンとマークしている選手を指さす
- マークしている選手が動いたら自分も動く
「オンボールディフェンス」のときに気を付けること
ボールを持っている相手を直接守ることをオンボールディフェンスと言います。オンボールディフェンスの主な役割は、ボールマンのシュート・ドリブル・パスを制限することです。
ディフェンス側プレーヤーは、ボールとリングの間に位置し、マークマンから1.5メートル以内で、マークマンのシュートチェックができ、1対1のドライブを止められる距離を保ちます。
オンボールディフェンスではマークマンから1.5メートル以内で守ること。
「オフボールディフェンス」のときに気を付けること
ボールを持っていない相手を守ることをオフボールディフェンスと言います。オフボールディフェンスの主な役割は、ボールを保持していない相手選手の動きを制限したり、パスコースを消したり(ディナイ)、味方選手が抜かれたときにヘルプできるようなポジショニングなどで、相手のオフェンスを妨げます。
ただし、オフェンス側プレーヤーの動きに合わせ、「ヘルプディフェンス」、「ヘルプローテーション」、「トラップ」することは認められます。また、相手選手がスクリーンをしている場面などエリアを守るのが目的でない場面では、「スイッチ」も認められます。
- マークマンの動きに合わせて動くこと
- ボールとマークマンの両方が見える(感じられる)位置に常に移動すること
- ヘルプサイドのマークマンにマッチアップする場合は、少なくとも片足がヘルプサイドに入っていること
「ヘルプディフェンス」とは
ディフェンス側の選手が自分のマークマンに振り切られた際に、他のディフェンス側の選手がリングに向かって攻めるオフェンス側の選手を守ることです。
ヘルプディフェンスをするために、オフボールの選手は一時的に位置を変えることができます。ヘルプディフェンスの後、ディフェンス側の選手は、自分のマークマンに戻るか、ヘルプローテーションを行います。
ヘルプディフェンスのあとはマークマンに戻るか、ヘルプローテーションを行うこと
「トラップディフェンス」とは
トラップディフェンスとは、ディフェンス側がボールを持っている相手に対して、複数の選手が一度に守ることです。つまりダブルチームです。
トラップディフェンスの後、ディフェンス側は直ちに自分のマークマンに戻るか、ローテーションを行います。また、制限区域(ペイントエリア)内のオフボールの選手をトラップすることはできますが、制限区域(ペイントエリア)外のオフボールの選手にトラップディフェンスをすることはできません。また、マッチアップするオフェンス側選手の力量が低い場合、育成の観点からトラップに行くことは避けるべきです。
- ペイントエリア外ではボールを持っていない選手へのトラップディフェンスはできません。
- トラップディフェンスのあとはマークマンに戻るか、ヘルプローテーションを行うこと
「スイッチ」とは
スイッチとは、ディフェンス側プレーヤーが、スクリーン、ヘルプディフェンス、トラップディフェンスの後に、お互いのマークマンを交換することを指します。
ボールを保持している相手選手に対するスイッチは許容されますが、ボールを保持していない相手選手同士を守る場合は、エリアを守る目的であると判断されると違反行為になります。また、ディフェンス側プレーヤーは、スイッチした後にマッチアップが明確にわかるようにする必要があります。
スイッチのあとはマッチアップが明確にわかるようにすること
「プレスディフェンス」とは
プレスディフェンスは、相手チームの進攻を妨害するために行われる守備戦術の一つです。この守備では、ディフェンス側の選手が前進して、オフェンス側の選手に密着して守ります。
プレスディフェンスを行う際にも、マッチアップが必要で、マッチアップエリア内でのルールが常に適用されます。また、ボールをコントロールしているオフェンス側の選手をトラップすることもできますが、トラップ後はマッチアップが明確にわかるようにする必要があります。
- プレスディフェンスであっても、マッチアップを意識したディフェンスをすること
- プレスディフェンスのとき、トラップディフェンスをしても良い。
ただし、スローインのとき、スローインする選手にマッチアップする選手がボールを持っていない他のオフェンス選手にトラップディフェンスをしてしまうことが多いので注意すること(オフボール選手へのトラップディフェンスは禁止) - トラップ後のマッチアップが明確にわかるようにすること
マンツーマンコミッショナーの旗の色の意味と罰則について
旗の意味
マンツーマンコミッショナーは、マンツーマンディフェンスにおいて違反行為があった場合、黄旗または赤旗を掲げます。
「黄旗」は注意です。ゾーンディフェンスをしていると判断した場合に改善を求める意味で掲げられますが、試合はそのまま継続されます。
「赤旗」は警告です。明らかなゾーンディフェンスである場合に掲げられ、次に試合が止まった時、あるいは、ボール保持が変わった時点で試合が止められ処置を実施します。
処置と罰則
1回目の赤旗の処置:相手チームのフロントコートのスローインライン(U12ではスコアラーズテーブルの反対側のセンターラインの延長線上)から再開します。
2回目以降の赤旗の処置(マンツーマンペナルティ―):相手チームにフリースロー1回が与えられ、相手チームのフロントコートのスローインライン(U12ではスコアラーズテーブルの反対側のセンターラインの延長線上)から再開します。
最後の2分(L2M)での赤旗:1回目だったとしても、2回目の赤旗と同じ処置になります。
- 2回目の赤旗が掲げられるとマンツーマンペナルティーとなります。マンツーマンペナルティーはコーチ自身のファウルとしてカウントされますが、チームファウルにはカウントされません。
- マンツーマンペナルティーを2回(つまり赤旗3回)宣告されたチームのコーチは失格・退場処分となります。ただし、ミニバスの場合は、マンツーマンペナルティー3回(つまり赤旗4回)でコーチは失格・退場となります。