※2024年4月6日:各クォーターのカウントダウンとショットクロックのカウントダウンは担当が逆だったので、誤記訂正。(下記が正解です)
- ショットクロックのカウントダウン→タイマーの仕事
- 各クォーターのカウントダウン→ショットクロックオペレーターの仕事
本記事はテーブルオフィシャルズ(TO)の中の「タイマー」について説明します。特にタイマーの仕事やタイマーの使い方がまだまだ不安な「タイマー初心者」の方に向けて、できるだけ簡易に噛み砕きました。
タイマーの仕事
1.試合時間(ゲームクロック)を計る
インターバル | 1Q | インターバル | 2Q | ハーフタイム | 3Q | インターバル | 4Q | インターバル | OT | |
一般 | 20分 | 10分 | 2分 | 10分 | 10分 | 10分 | 2分 | 10分 | 2分 | 5分 |
ジュニア U15(中学生) | 20分 | 10分 | 2分 | 8分 | 10分 | 8分 | 2分 | 8分 | 2分 | 3分 |
ミニバス U12(小学生) | 20分 | 6分 | 1分 | 6分 | 5分 | 6分 | 1分 | 6分 | 1分 | 3分 |
- ゲーム開始20分前:ゲーム前のカウントダウンが動いているか確認する。
- ハーフタイムとインターバルを計る:審判が各クォーターの終了を示したとき、第1クォーターと第2クォーターの間、第3クォーターと第4クォーターの間のインターバルは2分間(ミニバスは1分間)、第2クォーターと第3クォーターの間のハーフタイムは10分間(ミニバスは5分間)を計る。
- 試合開始と後半開始を知らせる:試合開始前、または第3 クォーターが始まる3 分前と1分30 秒前(ミニバスは1分前)にブザーを鳴らす。ハーフタイムが終了したときに速やかにブザーを鳴らす。
- インターバルの終了を知らせる:第2クォーターと第4クォーター(および各オーバータイム)が始まる30秒前にブザーを鳴らす。(ミニバスは適用外)インターバルが終了したときに速やかにブザーを鳴らす。
- 各クォータータイムをセットする:インターバルやハーフタイムが終了したとき、ゲームクロックの表示を新たなクォーターの10分(ジュニアは8分、ミニバスは6分)またはオーバータイムの5分(ジュニアとミニバスは3分)にセットする。
試合中にゲームクロックを止めるタイミング
- 各クォーター、各オーバータイムの競技時間が終了したとき。
- ボールがライブのときに、審判が笛を鳴らしたとき。
審判の笛が聞こえづらい場合、審判のゲームクロックを止めるシグナルをよく見ておくこと
- タイムアウトのとき。
タイムアウトが認められるタイミング
- タイムアウトを請求していたチームの相手チームがフィールドゴールで得点したとき
- シュートが成功したあと、得点されたチームがボールをライブにする前にタイムアウトを請求したとき
- タイムアウトは先に請求したチームに認められるが、両チームから請求がある場合、フィールドゴール後のタイムアウトは得点されたほうのチームが優先される。
- 第4 クォーター、各オーバータイムの2:00あるいはそれ以下を表示している場合、フィールドゴールが成功したとき。(ただし、ミニバスは対象外)
- ショットクロックバイオレーションのとき。(チームがボールをコントロールしている状態で、ショットクロックのブザーが鳴り、審判のシグナルがあったとき)
ゲームクロックを止めた瞬間に手を開いて頭上に上げる。
ゲームクロックをすぐに動かし始めないときは、上げた手を一旦下ろしてもよい。この場合、他のメンバーがゲーム再開の準備が整ったこと、交代があった場合にはコート上のプレーヤーが5 人ずついるかを確認して、再び手を上げる。フリースローの場合、最後のフリースローのボールがライブになったときに手を上げる。(後にスローインまたはフリースローが続く場合を除く)
- ゲームクロックを止めた瞬間にショットクロックオペレーターと一緒に「ストップ」と声に出し、正しく止まっているかを目視で確認する。
- ゲームクロックを止めるのが遅くなってしまったり、フリースローバイオレーションやスローイン前のファウル等で動かしてしまったときは、審判に知らせてからゲームクロックの修正を行う。
試合中にゲームクロックを動かすタイミング
- ジャンプボールの場合、正当にジャンパーがボールをタップしたとき。
- 最後のフリースローが成功せず、引き続きボールがライブの場合、ボールがコート上のプレーヤーに触れたとき。
- スローインの場合、コート上のプレーヤーがスローインされたボールに正当に触れたとき。
ゲームクロックを動かし始める瞬間に、上げていた手のひらを握って下ろす。
各クォーター及びオーバータイムの開始時は、コート上のプレーヤーが5 人ずついるかを確認して、ボールがライブになる前に手を上げておく。
※タイマーを止めるときは手を上げますが、交代があるときなど、少し間があるときは、一度上げた手を下ろしても構いません。ただし、次にゲームが再開するときは、手を上げておきます。フリースローでは最後の一投の前には手を挙げておきます。
- ゲームクロックを動かす前に、残り時間を声に出して確認する。
- ゲームクロックを動かし始める瞬間に、ショットクロックオペレーターと一緒に「スタート」と声に出し、正しく動いているかを目視で確認する。
2.タイムアウトの時間を計る
- タイムアウトが認められる時機になったら、ブザーを鳴らし、タイムアウトのシグナルを示す。(ただし、タイムアウト請求時のブザーは正式にはスコアラーの任務)
- 審判が笛を鳴らし、タイムアウトのシグナルを示したときに、タイムアウトが始まるので、ストップウォッチで60秒(ミニバスは45秒)を計測する。
- タイムアウト終了10秒前を知らせるブザーと、タイムアウト終了を知らせるブザーを鳴らす。
ストップウォッチが無い場合は24秒計を使って計測することもあります。(以下は24秒計を使った計測例)
- 一般の場合:20秒+20秒+20秒=60秒
- ミニバスの場合:5秒+20秒+20秒=45秒
・審判の笛の後、ファウルのレポートや、交代があるときは、タイマーは一旦上げた手を下ろす。再び手を上げるのは、次の2つのことを確認した後である。
(1)タイムアウトや交代の請求がなく、ショットクロックのリセット/継続の確認を終えていること。
(2)コート上に各チーム5人のプレーヤーがいること
・つまり、タイマーが、一旦下ろした手を再び上げることは、「TOはゲーム再開の準備が整いました」ということを審判に伝える重要な合図である。TOマニュアル簡易版より引用
タイマーがブザーを担当することも多い
ミニバスなどでは、ブザーの位置が遠いなどの理由で、「スコアラー」や「アシスタントスコアラー」がブザーを操作できないことがあるため、タイムアウトや選手交代の合図やブザーは「タイマー」が担当することが一般的です。役割分担を事前に確認しておきましょう。
タイマーのコミュニケーション
スタート・ストップ
(ゲームクロックをスタートするとき)
スタート。
(ゲームクロックをストップするとき)
ストップ。
・ゲームクロックがスタート/ストップするときは、次の2つの場面を除いて、ショットクロックも同時にスタート/ストップする。
(1)ジャンプボール後のスタート(ゲームクロックはタップの瞬間。ショットクロックはコントロール成立の瞬間)
(2)最後のフリースローのショットが不成功でリングに当たった後のスタート(ゲーム・クロックはプレーヤーがボールに触れた瞬間。ショットクロックはコントロール成立の瞬間)
タイマーとショットクロックオペレーターは、2人の「スタート」「ストップ」のコールが同時になるように、操作の精度を高めることが大切である。TOマニュアル簡易版より引用
ゲームクロックが止まった後のゲーム再開時
(残り3分12秒)
312。
OK。
各クォーターまたはオーバータイムの残り3分、1分、24秒、14秒
(残り3分手前)
もうすぐ、残り 3 分です。
(残り1分)
残り 1 分切りました。
(残り24秒)
24秒。
(残り14秒)
14秒。
OK。
第4クォーターとオーバータイムの最後の2分
(第4クォーターとオーバータイムの残り2分10秒前)
ゲームクロックカウントダウン始めます。10, 9,…,2, 1。残り
2 分です。
あと 2 分、OK です。
ショットクロックのカウントダウン※
※ただしミニバスは赤・黄のフラッグをショットクロックオペレーターが担当するので対象外
(残り14になったら)
14 秒。
OK。
(残り5秒になったら)
5, 4, 3,2, 1。
※TOマニュアル簡易版
だと、ゲームクロックのカウントダウンのコールをショットクロックオペレーターが行うことになっていますが、誤記と思われるため、本記事ではタイマーの仕事として記載しました。
ショットクロックのカウントダウンと重なる場合は、タイマーが「各自でカウントダウンを行う」ことを宣言し、タイマー自身がカウントダウンを行う。
TOマニュアル簡易版より引用
参考文献
“TOマニュアル簡易版” 2021年7月(公財)日本バスケットボール協会 TO委員会
“Table Officials Manual 2021" (公財)日本バスケットボール協会
“U12 TOマニュアルハンドブック (2023年4月6日更新版)"